無力。01 ページ12
がつんと頭に強い衝撃が走る。目の前に星が飛び、口から呻き声が飛び出した。頭蓋骨を圧迫され、激痛に息が止まる。
「ぇ……すを……エースを、どう、する……つもりだ……！！」
己の即頭部を踏みつけるティーチを睨みつけ、掠れた声で怒鳴った。バージェスという覆面の男の肩に担がれたエースはだらりと力なくされるがままになっている。ぽたりぽたりと腕を伝い地面に落ちていく赤い液体に心臓が止まりそうになった。
痛む節々に鞭打って、腕をエースの方へと伸ばす。
「い"っ……！！」
「エース隊長は俺が七武海になるための生贄になって貰う！！」
伸ばした手も踏みつけられ、地面に縫い付けられた。指先がばきりと嫌な音を立てる。動かなくなった指先に冷たい汗が全身から流れ出す。
下卑た笑みを浮かべてティーチは俺を見下す。
「いけ……に、え……？」
「ああそうだ！政府に引き渡すのさ！そして俺は念願の七武海だ！！ゼハハハハ！！！」
両手を広げ、ティーチは高笑いをした。
悔しくて悲しくて、辛くて痛くて、目の奥が熱くなる。泣いてはいけないと唇を噛み、必死に涙を堪える。
「船長、"白銀"は連れて行かないのですか？」
頭上で交わされる会話に身体が震えた。ゼハハ、とティーチは笑う声が聞こえる。指先を踏む力が強くなり、指先がぐちりと異様な音を立てた。痛みに目の前が真っ白になったが、何とか意識は飛ばさなかった。
「Aにゃ……白ひげの野郎に伝言をしてもらうのさ……」
「伝言、ですか……？」
オーガーという男が不思議そうな顔をして鸚鵡返しに尋ね返す。
「ああ、"てめェの時代は終わった、これからは俺の時代だ"ってな」
指先から足が退けられる。僅かに痛みが治まり、俺は息を吐き出した。四肢に力をいれ、カラカラに乾いた喉から声を絞り出す。
「え、すを……つれて、くな……」
エースだけは、エースだけは連れて行かないで。動かない身体を強引に動かしてティーチの足にすがりついた。堪えていた涙がぶわりと両目から溢れ出し、頬を伝って落ちていく。自尊心やそんなものなんてどうでも良かった。ただただエースを連れて行かないでほしかった。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
