NEW WORLD (ページ33)

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2話ページ33

映像を頼りに私達はエボルトの元へ向かった。
私達が着く頃にはもう一海と幻さんは着いていて、エボルトにやられかけていた。

「一海！幻さん！！」

「俺たちが相手だ！！」

ジーニアス、クローズマグマ、ルークスにそれぞれ変身してエボルトに向かっていく。
3人がかりでエボルトの攻撃を防ぎ、攻撃を放った。

エボルトはエボルコブラの状態で、まだフェーズ1だった。
それでも私が思っている以上に強くて、思うように攻撃が打てない。

私と戦兎が弾き飛ばされているうちに龍我に必殺技が放たれて龍我の変身が解けてしまった。

『龍我！！』

戦兎は負けじと必殺技を繰り出したが、それはエボルトの攻撃によって相殺されて戦兎も飛ばされてしまう。
やっぱり、強くなってる。

「言ったはずだ、力を蓄えて戻ってくるとな」

拳がエボルトの体に当たって鈍い音がする。
エボルトは私の攻撃が効いたようで、体制を崩した。

完全体になる前に倒さなきゃいけない。

私はエボルトが体制を戻す前に必殺技を溜めてエボルトに向かっていった。
でもその攻撃はエボルトには当たらなくて、緑色の光に防がれた。

突然現れたその光から自分が放った攻撃が跳ね返ってきて、慌ててその攻撃を掻き消した。
緑色の光が徐々に人間の形になっていく。

「ほう？地球人のくせになかなかやるじゃないか？」

その人型はそう喋りながら完全な人間の姿へと変わった。
白髪のベリーショート、器用に着崩された女物の制服に、ボーイッシュという言葉が良く似合う顔とチラつく八重歯。

「なんだあいつは……」

戦兎が顔を上げてその女に問いかけた。
女はいかにも悪役そうな笑顔を浮べて口を開いた。

「アタシの名はレックイーン。アンタらの言葉で言うところの、エボルトの妹ってとこだな」

癖のある巻き舌の喋り方は、彼女の目に宿る狂気をより引き立たせていた。

「力を蓄えたとはいえ、一度負けた奴らに1人で向かっていくほど俺は馬鹿じゃない。言っとくが、こいつは俺よりおっかないぞ」

「よく言うさ。ほら、ニーサンに頼まれてたものだ」

レックイーンの手から緑色のスライムが出てきてパンドラボックスになった。

「しまった！」

「俺がここで暴れたのは陽動に過ぎなかったってわけだ」

「おかげで無傷で済んだ」

ありがとな、と微笑むレックイーン。

『ふざけないで！』

私は立ち上がってレックイーンに向かっていった。