NEW WORLD (ページ23)

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6話ページ23

一海Side

とりあえず戦兎に渡されたメモを頼りに歩いてきたのだが、全く見た事がない展望台が目に入って絶望した。

「ここどこだよ？」

戦兎の書いたデタラメな地図を眺めながらベンチに座った。

「ダメだ…全然分からねぇ。はぁ……あいつらがいねぇとすぐ迷っちまう」

ポケットに手を入れると、いつもと違う感触がして手に触れたものを取りだした。
みーたんに貰ったオマケだ。

俺の脳内で赤羽に言われたことが再生される。
みーたんの身に何かあってもいいのか、と。

「クソったれ……」

ここで行かなきゃ、一生後悔する。
俺は三羽ガラスが向かった方へと走り出した。

俺が来た時には既に三羽ガラスはやられていて、黒いビルドがみーたんに近づいているところだった。
ビルドを蹴ってみーたんから離れさせる。

「俺に内緒で何楽しんでんだ、コラ」

「グリス…」

「ビルドに化けるとは、胸くそ悪ぃな！」

俺はツインブレイカーをビルドに向かってふりかざした。
でも全く効かない、微動だにしなかった。

「なに？」

「お前如きが、俺を止められると思うな！」

俺よりも格段に早いスピードで動くビルドには手も足も出なかった。
俺は必殺技を決められてしまって、変身が解けてしまう。

「グリス！」

みーたんが俺を心配して走ってくるけど、それをビルドに止められた。

「こいつを返して欲しければ、ホワイトパネルを政府官邸に持ってこい」

そう言って、みーたんを連れ去って行った。
今すぐにでも追いかけたかったのに、体が動かなかった。

雨が降る。

気絶した三羽ガラスの体に容赦なく降りしきった。