不釣愛 [藤原愁] (ページ13)

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第十一話　偽物の笑顔ページ13

食事会も終盤に差し掛かった頃、沙絵ちゃんは少し早めに退席した。すると_____

A父「A、愁君。これからのことについて話がある」

これからの事？

『はい』

愁「・・・」

A父「高校を卒業したら、何れAは愁君と籍を入れ、藤原家の人間となる」

想像しただけで不安が押し寄せてくる。

A父「そこで、今日から藤原家でお世話になりなさい」

A／愁「『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿え？？』」

今なんて？

A母「急な話でごめんなさいね。でも、貴方達に言っていなかっただけで、両家で話は出ていたの」

愁父「勿論、家事を手伝うことはない。高校生の間は、普通に過ごして構わない。だが、卒業してすぐに慣れない家で家事を任せる訳にもいかない。そこで、慣れてもらうためにも家で暮らすというのはどうか？ということだ」

『えっと、その・・・』

いろんな感情が目まぐるしく脳内を駆け巡る。心臓が痛い。
愁はどう思っているの？これでいいの？私は愁のことが好きなのに、どうしてこんなに悲しい気持ちになるの？私は愁と一緒になることを本気で望んでいるの？お母様もお父様も、私が家を出ることに何も思わないの？

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿どうして全部決めるの？

愁「A…？」

『＿＿＿＿＿両家の間で合意されているのでしたら、そうさせていただきます』

＿＿＿＿＿＿＿嗚呼、また私は偽物の笑顔で自分を偽るんだ。