5話 ページ6
sideウィリアム
僕とルイスは元々孤児院に居た。
アルバート兄さんはよく施設に足を運んでいた。
そこからしばらくして兄さんが僕らを招き入れた。
そこで知り合った。
A『……こんにちは……』
片足を失ったルイスより小さな少女の存在を。
僕らはアルバート兄さん以外には冷遇されていた。
けれど、
｢私の視界に現れないで頂戴っ！私は貴女なんか産んでないわっ！｣
ウィリアム｢ははっ！気持ち悪〜い！｣
A『……』
感情を殺して実の家族からの暴力と暴言に耐え凌ぐ少女を見ていられなかった。
彼女は1度座り込むと立つまで時間がかかってしまう。
｢立てる？｣
手を差し伸べると
A『…あ、ありがと…ございます…』
戸惑いながら笑った。
アルバート｢A！またウィリアムか！｣
ウィリアム｢えー、勝手に転んだだけでしょ？｣
髪を引っ張り
ウィリアム｢そうだろ？｣
有無を言わせなかった。
A『は、はい……』
Aは誰かを悪く言うことなどない。
しかし、1度だけ。
たった1度だけ…
A『……お父様もお母様もウィリアム兄様も…… 居なくなったら良いのに……』
そう呟いているのを部屋の前で聞いた。
A『…罰当たっちゃう。』
自嘲しその場を去った。
その後正式なアルバート兄さんからの依頼で
ウィリアムを刺して家を燃やした。
アルバート｢Aっ！逃げよう！｣
A『兄様危ないっ！』
燃え崩れた壁に足を潰され、切断せざる得なかった。
それが僕の唯一の誤算だった。
あの火事から僕は
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ になった。
新しい場所で数学教師になる。
田舎だとしてもAは外を歩けば白い目で見られ
る。
ウィリアム｢それからは兄妹肩を寄せ合い何とか暮らしてきました。｣
嘘を交えながら過去を話す。
｢辛い話を思い出させてすみません。｣
ウィリアム｢早く会いたいですね、末妹に。｣
｢良き家族ですね。｣
ウィリアム｢ええ。本当に。｣
Aが心待ちにしてくれていることに期待して駅をおりる。
道を聞く途中に睨まれた。
｢許してやっておくれ、あの子はここの子爵に見殺しにされたようなものだから。貴族を恨んでるんだよ。｣
なるほど相談役の仕事もありそうだ。
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うっちゃん - すごく好きなお話です！！続き待ってます！ (2021年8月15日 23時) (
レス) id: d1761c5b5e (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2021年5月28日 11時) (レス) id: ba379c9f27 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - 頑張ってくださいね (2020年12月19日 21時) (レス) id: 53d672d5c9 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - とても面白いです。また楽しみにしてますね (2020年12月9日 10時) (レス) id: 53d672d5c9 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - とても面白そうなのでお気に入りに追加してしまいました。更新の時を楽しみにしてますね。出来れば早く続きが読みたいです (2020年12月9日 0時) (レス) id: 53d672d5c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年12月6日 3時
