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まず、かっちゃんの爆発する汗粒を、普通の汗でコーティング。普通に言ってるけどそんな精密なコントロールを、オールフォーワン相手にあの土壇場で成し遂げた。そして更に、爆発させずにそれを飛ばし、オールフォーワン自身の行動を逆手に乗って起爆させた。
……って、言葉では説明できても……普通実行できないでしょ、そんなの。
今まで見せたことのない技巧。成功するかもわからないギミック。それをこの場で試す度胸と、成功させる技術。彼はよく才能マンと呼称される。才能、それは勿論だけど……一体どれほど努力をしてきたんだろう。
自分の個性への理解度が突出している。かっちゃんが強くなるために努力した全てが、今の彼を形成している。
「センスだけは褒められてきたンでな。個性なんてひとつありゃ充分だ!!!」
高らかに言い放ったかっちゃんに、オールフォーワンは怒りをむき出しにした。乱れた個性を再構築し放出しようと体勢を立て直す。
「これは……僕の物語だ……!!どけ!!モブがぁああ!!」
――ハウザーインパクト!!!
絶叫し再び進軍しようとしたオールフォーワンへ、かっちゃんが大規模な爆破を打ち込む。体を震わせながら、「んだらぁああ!!!」と何度も、何度も。
「うぅぅるっせええェえええええぇンだよォオォオオオオオおおお!!」
叫びながらもはや何度目かもわからない爆破を叩きこんで、かっちゃんは声を張り上げた。
「これは、俺たちの物語だ!!」
トドメの一発がオールフォーワンに打ち込まれる。凄まじい爆音とともにオールフォーワンは地面に叩きつけられた。爆炎と砂煙で姿が見えない。爆破による鮮烈な光の眩しさに目を細めながら見つめる視線の先で、かっちゃんは真剣な顔つきで小さく口を開いた。
「俺一人で……勝てるワケねーンだよ。」
呆気に取られてしまっていた。はっとして慌ててかっちゃんの元へ駆けつけて体を支える。
「ちょっと、無茶しすぎ……!!大丈夫!?」
「まだだ……アイツが消えたか、確認すんぞ、」
こんなボロボロになりながら、それでも勝利だけを見据えて……。感銘か、安心か、どこから来たのか分からない涙が溢れかけたのを堪える私をよそに、かっちゃんは我先にと地面へと降りて行った。追いかけて、私も地上へと降下する。
土煙で視界の悪い中、数歩進んだ先に、ソレはいた。
「赤子、だ……。」
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作者名:赤兎リエ輔
| 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2025年12月26日 0時


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