２４３羽 ページ41
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白布があげる先を月島がじっと見て、じっと待つ。真ん中に川西が走ってきたが、牛島、五色などのエースと呼ばれる男の存在だって視野に入れる必要があるため判断は困難だ。
――けれど月島は適切な情報しか汲み取らない。
月島は川西に上げられたトスにワンタッチをとって見せた。
「ワンタッチィィ！」
それを田中が拾い、選手たちは一斉に走り出した。あと1点で全国行きが確定するシンクロ攻撃、影山があげた先は――日向。
「(マイナステンポのバックアタック……！)」
川西の手に当たってコートに落ちるボールをギリギリで牛島がつないだ。それでもすぐに起き上がってボールを呼び、白布から牛島に上げられる。
ブロックでクロスを閉め、ストレートに放たれたボールを日向が顔面でレシーブした。田中がそのカバーをし、影山がラストを返す。
山形から白布に上げられるボール。白布があげる先はもちろん牛島。
「牛島さん！」
「止めます！」
月島が声をかけ、烏野の中でも比較的高い澤村、東峰、月島の3枚ブロックでストレートをしめた。しかし、牛島は直前でストレートからクロスへと方向をかえる。
「(あの体制からクロス！？)」
Aは思わず目を見開いた。いつまでも変わらない、相も変わらず化け物なのだ、あの人は。
影山がぎりぎりであげたボール。それを澤村がつないだ。
「……旭さん、打って！」
Aがベンチから東峰に叫ぶ。東峰はスパイクを打つも、ブロックに阻まれた。ブロックによって遠くにはじけたボールを今度は田中がぎりぎりで拾う。
落下地点に影山が構える。そして選手たちはまた一斉に動き出した。シンクロ攻撃を仕掛けるつもりだ。
影山が選んだスパイカー……その者の元へ、ボールが送られる。
「(個人技では叶わない。けれど、個人技ではないのなら。コートに、控えに、頼もしい仲間たちが何人も居る。信頼できる仲間が、何人も。そんな人達の思い、全部のせて、含めて……お前は飛ぶんだね。
たった160ぽっちの身長。小柄でヘタクソ、突拍子もないこと急にやりだす馬鹿。けど少なくともここにいる全員お前を認めてる。だから――)
……きめて、翔陽！」
ボールがあげられた日向がドンピシャの位置にきたそのボールを打った。ボールは山形の腕に当たり、遠くに弾ける。――そして白鳥沢のコート外へおちた。
会場は一瞬静まり返る。そして一気に歓声に包まれた。
「うおぉぉぉぉ！！！」
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蘭(プロフ) - 雨音が響いていますね切ないっ！ (2020年5月20日 19時) (
レス) id: 6b8ac95e5a (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 228羽から239羽になっています その後も240羽〜になっています (2019年7月28日 17時) (レス) id: 429426fee2 (このIDを非表示/違反報告)
kusareneko11(プロフ) - 天童の童が道になってますよ (2018年1月23日 21時) (レス) id: 82b0fa55d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - Kitty*.。さん» 貴方様のコメントを受けて「可笑しいのか！？」と思って調べたところ真骨頂が正解でありました…！申し訳ないです！真骨頂の意味は最もいい状態みたいな感じです！ (2016年12月29日 11時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
Kitty*.。(プロフ) - 216羽に最骨頂という言葉が出てきましたが、意味を教えてください (2016年12月27日 20時) (レス) id: 73d00c2580 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2016年10月8日 22時
