226羽 ページ34
牛島のサーブ2本目。澤村に向かったサーブをしっかりとあげる。
乱れたボールを繋ぎ、菅原がラストをオーバーで返す。
――それもただ返すわけではなく、白布を狙って。
「(菅原さん怖っ。)」
いい意味で、という意味のこもった言葉を心の中で送る。
菅原のサーブの牽制やこういった細かい点には頭が上がらない。
白布が上げたボールは天童によって牛島にあげられる。
体制はストレート。余裕はある。
西谷がストレートに構える。
「(……違う。)
クロス、澤村さん!!」
「!?」
いくら澤村といえど、完全にストレートだと思っていたボールを簡単に取れるわけもなく。
腕に当てることはできたものの、そのボールは遠くにはじけた。
「(直前でコースを変えた……化けモンかよ。)」
そんなAの耳に届いた牛島の言葉。
「天童の言葉を借りると……ノッてきた。」
そんな言葉を聞いて湧く白鳥沢。そんな状態にAは歯軋りした。
「A、すまん!」
「いえ!気づくの遅かったです、すみません」
自分に向かって手を合わせて謝る澤村に、Aも謝った。
「……。」
「どうしたのー?若利クン。」
「……俺ならば、反応できていた。あのタイミングであの速さであれば俺ならば拾えていた。」
「……そうだねェ。」
・
・
牛島のサーブ2本目。
澤村、西谷揃ってアウトと踏んだサーブはイン判定となった。
――これにより、4対5。逆転を許してしまった。
3本目。なんとか東峰があげるが、大きく乱れる。
滑り込んで澤村がカバーし、菅原がアンダーで大きく返した。
「チャンスボール!」
繋がれた末、あげられた先は牛島。バックアタックだ。
月島がブロックに飛ぶ。ワンタッチをとることはできたものの、それを拾うことはできなかった。
牛島の4本目のサーブから、長い長いラリーが続く。
その中で月島は1本も逃すことなくワンタッチをとり続けた。技術はつたなくとも、うちで唯一安定してリードブロックのできる選手であるが故だ。
その中で。
牛島のスパイクに月島が飛んだ。
クロスに放たれたスパイク。
「ッ!」
――それはかすかに月島の小指に当たったのをAは見た。
初めはアウト判定となっていたが、それが取り消され落胆する中。
「蛍!」
Aは、いち早くコート内の月島にかけた
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蘭(プロフ) - 雨音が響いていますね切ないっ! (2020年5月20日 19時) (レス) id: 6b8ac95e5a (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 228羽から239羽になっています その後も240羽〜になっています (2019年7月28日 17時) (レス) id: 429426fee2 (このIDを非表示/違反報告)
kusareneko11(プロフ) - 天童の童が道になってますよ (2018年1月23日 21時) (レス) id: 82b0fa55d3 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - Kitty*.。さん» 貴方様のコメントを受けて「可笑しいのか!?」と思って調べたところ真骨頂が正解でありました…!申し訳ないです!真骨頂の意味は最もいい状態みたいな感じです! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
Kitty*.。(プロフ) - 216羽に最骨頂という言葉が出てきましたが、意味を教えてください (2016年12月27日 20時) (レス) id: 73d00c2580 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年10月8日 22時