【ハイキュー】隣のクラスの星海くん。2【星海光来】

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光来くんの腕に包まれて感じる温もりが心地いい。うんざりするような暑い夏の空気も今は幸せに感じた。



「絶対幸せにする。……約束する。」
「……えへへ、よろしくお願いします。」



抱きしめてくれていてよかった……今私、とってもだらしない顔してる。だってあまりにも嬉しい言葉だから、自然と表情が緩んでしまって。私こんなにもこの人のことを好きなんだって……そんな感じで。

この時間がもっと続けばいいのにと思っていたのに、何やら辺りが騒がしさを増してきた。



「閉会式までに優勝したとこ確認にいくか？」
「あと15分くらいだ、急ごうぜ！」



……そうだ、一応今球技大会中……。私はぽんぽんと光来くんの背中を叩いて、「閉会式だよ。」と声をかける。彼の腕が離れて、途端に失ったぬくもりが凄く寂しかった。



「表彰されるんだよね？改めておめでとう。」
「Aンとこも3位入賞だったか？すげえじゃん。」



付き合う前と変わらない、他愛の無い会話。それでもやっぱり今までとは心持も安心感も、何もかも違う。光来くんの隣を歩けている現状が今は何より喜ばしい。

体育館に戻るや否や、白馬くんと昼神くんが私達を見つけて駆け寄ってきた。昼神くんは別段いつもと変わらない穏やかな様子だけど、白馬くんは何だか必死って感じだ。勢いよく近づいてきた2ｍの彼に一歩後退する。そんな私の一歩前に光来くんが立ってくれた。



「お前ら、もしかして……！！」
「芽生、俺の大事な人をビビらすんじゃねえ！」
「おめでと〜2人とも。」



ぱちぱちと拍手を送る昼神くんと、「クソやっぱりか……！」と何やら悔しそうな白馬くん。そんな彼に光来くんがふんと鼻を鳴らして胸を張っていたから、多分普段から何かとああいう感じなんだろう。

言い合いが始まった2人を見守っていれば、「よかったね。」と昼神くんが声をかけてくれた。そうだ、今は誰より彼に感謝しなきゃ。



「本当にありがとうね、昼神くん。」
「俺は背中押しただけだよ〜。……こちらこそ、ありがとうね。」



優しい声色で告げられたありがとうの言葉はよく分からなくて首をかしげる。その意図を尋ねるより先に、「サチロー！！」と光来くんが飛びついた。



「ちょっと話してただけじゃん、あんまり嫉妬深いと嫌われるよ？」
「なっ、！」
「せめて器くらいはでかい男になれよ〜光来。」



言い合う3人を笑いながら見つめる。……ああ、とっても幸せだ。



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