第２１３話 ページ13
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「ビョードーイン！……いい選手を育てたな。」
「闇で最大弱点を突いてくるぞ！！」
平等院がそう叫んだと同時に、アマデウスは「バジェーナ！」と声を上げてトップスピンロブを打ち上げた。無没識で亜久津の足が既に限界だという事を理解していたのだ。
「6体になったとて……この1ポイントは譲らんぞ。」
プロとしてのプライドを見せたアマデウスの言葉。それをうけて、傍に居た鬼が「6体ならな。」とそっと呟いた。その言葉の意味を聞くより先に、亜久津がプレーで説明する。
コート上にいた亜久津は10球の返球パターンに対応できるように備えていた。そこにまるで10人亜久津がいるかのように。
「俺はあいつらに10球打ちを練習させてたんだぜ。」
得意げな鬼の言葉と同時に、亜久津はアマデウスの足元にボールを強く叩き込んだ。「ゲーム日本、1-5！」というコールがかかって、会場が大きく湧く。中学生が現役のプロから1ゲームを奪ったのだ。
けれど、Aが驚いたのはそこばかりではない。もうひとつ、亜久津の10球に対応した姿についてだ。彼は10球に備えただけではなく、10種類の動きを1度に見せていた。
「鬼さん、1度に10種類の動きを繰り出せた中学生なんて……。」
「ああ……1人しかいねえよ。」
そう言った鬼の顔は楽しそうだった。それにAもなんとなく嬉しくなって少し笑う。完全に流れを変えた1ゲーム、勝機が無いと決め付けるにはきっとまだ早い。
会場からJAPANコールが沸き起こる中、サーブのためにエンドラインへ向かう亜久津。――そんな彼がバランスを崩し、倒れた。思わず身を乗り出すと、亜久津の体が地面につく前に平等院が彼を支える。
「ここまでだ、亜久津仁！」
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ベンチに寝かされていた亜久津が目を覚ます。そんな彼に一番に平等院が声をかけた。
「起きたか負け犬……。約束通りとっとと日本へ帰れ。」
どうやら試合前に話していた内容は『試合に出てもいいが負けたら帰国』というものだったらしい。酷なように思えるが、平等院の義では世界を取れないという信念を裏付けているような言葉だ。
亜久津は反論するでも抵抗するでもなく、「言われなくてもな。」と起き上がった。そして歩き出した彼を「おい。」と平等院が呼び止める。
「今大会は俺達が必ず連覇する！」
「……俺の知ったこっちゃ、」
「2年後の大会はキサマが連覇しろ！！」
平等院の言葉を背中に受け、亜久津はそっと去っていった。
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品！夢主ちゃん格好可愛いすぎます！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します！読んでいて，とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年3月18日 0時
