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第203話 ページ3





そして試合はついにゲームカウント5-1、更にはオーストラリアのマッチポイントという状況を迎えていた。あと1球、1球でも決まれば幸村と真田は負けてしまう。

「あと1球!」というコールが会場全体に響く中、幸村が打ったサーブは緩く弧を描くボールだった。真田も、返ってきたボールを風林火山の林で返球する。2人とも攻めるのを止めているらしい。



「最強の守備に対し最強の守備で挑むつもりか!?」



オーストラリアも決して攻めず、守りのテニスを貫く。互いが攻めず、ロブの打ち合いが続くラリーはあまりに異様だった。どちらが先に隙を見せるかの勝負。5分、10分……そのラリーは30分にまで及んだ。



「長い、ですね……。」
「……我慢比べだな。」



Aと徳川がそう話したとき、会場のマイクがある音声を拾った。



「ハァーッッハッハ!!何だこの試合は!?国を背負った試合だと!?……笑わせるぜ。」



そう声を上げたのは跡部だった。30分間のラリーとあいまってその言葉に痺れを切らしたのはクリス。自分達のテニスを嘲笑われたことに怒りを見せて、彼は攻めたボールを打った。

とうとう均衡が崩れた。幸村と真田も攻める姿勢を見せ、真田の黒龍二重の斬が打たれる。


1度目のクラッチをジャンが捕らえる。そして2度目のクラッチをクリスが捉える――かと思われたが、クリスのラケットはボールに弾き飛ばされた。



「……どうやら、触覚を奪われたようですね。」



張り詰めた緊張感の中のラリーが無意識に与えられていたプレッシャーとストレスは計り知れないだろう。そして一番に攻めたクリスは全ての球を返されるイメージを抱いた。結果、幸村のイップスにかかり触覚を奪われたのだ。

五感を奪われなかった分良かったのかもしれない。けれど返球が出来ないこの状態では黒龍二重の斬は返せない――。



「ゲームセット!ウォンバイ日本、7-5!」



そしてついに、日本は勝利を手にした。これでまずは1勝、世界ランク2位のスイスを下したオーストラリア相手に初戦勝利の大金星だ。

流石は王者立海の部長副部長ペアだな、なんて思いながらAはモニターに映る2人を見る。続く試合はダブルス1、日本のベンチからコートに出てきたのは不二と仁王の2人だった。





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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品!夢主ちゃん格好可愛いすぎます! (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します!読んでいて,とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2019年3月18日 0時

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