7月20日am09:30/デート?の時間 ページ7
『どれを着るべきか』
テスト後の月曜日、まだ答案は返されていないがちょうど祝日なこともあり、今日は浅野からティータイムとやらに誘われていた。
Aはビッチ先生監修の元何着か服を用意され、研究所の方ではワンピース数着というシンプルな服を渡されている。
"検索→ウイルスチェック"
"セーフティ、類似事項のまとめ、結果"
モデルの服などを統計し可能な合わせ方を学んだAは、襟付きの半袖ワンピースを着ると首元に同色の薄いクリームベージュのリボンを結んだ。
土曜日メンテナンスに来たマスターがアップデートをしてくれたため、身体中のマゼンタの発光線を肌の色に同化させられるようになった。その機能を早速使ってみると、すっかり機械っぽさが消える。
焦げ茶の髪はハーフアップにしていつもの黒いリボンで飾る。靴は履きなれないためヒールの低いパンプスを履いて、カバンも適当に見繕った。
『律〜〜』
『は〜い』
『どうでしょうか、一応統計に基づいて合わせてみたのですが……』
鏡の近くにスマホを置くと、その場でくるりと回ってみせる。
『色彩も季節感もバッチリです! もしかして今日は誰かとデートにでも行くのでしょうか!』
『そんな目をきらきらさせても……知り合いと少し用事があるだけですよ』
『誰なのかは教えてくださらないのですか〜律はとても気になります!』
『あざといなあ〜だいたいこういうものは言わないものでしょう?』
『あはは! 確かにそうですね、楽しんできてください!』
『どちらかと言うと殺伐としていそうですが……まあそうですね、楽しんできますよ』
そう告げる顔はデートを楽しみに待つ人とは思えない顔で、Aのマゼンタの瞳が好戦的に光っているのを見ると律は苦笑いをするのであった。
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作者名:天泣tenkyu | 作成日時:2019年6月14日 22時