ERROR！ver.2【浅野学秀】【赤羽業】 (ページ6)

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7月16日am08:50/期末テストの時間ページ6

『なんだかのどかですね』

『ですね〜』

雑草畑を古びた窓越しに眺めるAI二体。それを呆れ顔で後ろから見るビッチとタコ。

『尾長仁瀬さんが律の替え玉さんですよね、彼女も頑張っていると良いですね』

『Ｅ組の皆さんもアウェイですが彼女はもはや学校外の方ですしね……ですが！私も家庭教師として頑張らせていただいたので！』

『そう、では私達もテストを受けますか』

『はい！』

殺せんせーが二つ分の解答用紙をそれぞれ机に置く。殺せんせー監修、漫画でわかる人間の不思議！と書かれた白黒印刷の紙に、わざわざご丁寧に色鉛筆で色付けがされている。

漫画のワンシーンを殺せんせーが演じ、その時の登場人物の心情を記入するなどの問題が多い。特に自由記述と自身に当てはめての解答形式でやや難しくなっている。

一時間のテストなのであっさり終わるが、終わったあと律とAはずっと問題についてどう答えただのと語り合っていた。殺せんせーがニコニコと(いつも通り)眺めながら丸つけを終えた。

『二人ともなかなか良い出来ですね』

ペラリと返された解答用紙、100点満点中お互いが70点代。まあ良い方なのだろうか、むしろどこを間違えたのだろうかと思ってしまうがバツ印が書かれているところは大体自由記述の欄。
例にあげている感情がややズレているらしかった。

『これを見て悔しいと思うくらいには人間に近づいているとは思います、まあプログラムなんで感じている、という表現は語弊かもしれませんが』

『Aさん、良いことを教えてあげましょうか』

人間の感情は無から溢れるものでは無い、貴方と同じく学習し染み付き反射となる。貴方はプログラムとして意識しているかもしれませんが、それは人間とほぼ同じのものなんです。

『……なるほど』

『ヌルフフ、まだ納得できなくても良いのです！いつか分かりますから焦らないで』

『……はい！』