薄桜鬼 〜氷雨の幻〜 三章

129　斎藤side ページ38

翌日

屯所に隊士希望の男がやってきた。

｢俺の名は南雲薫と言います。これからよろしくお願いします」

その男は簡単に自己紹介をすませる。
剣術面のほうでは合格で、新しく隊士となるわけだが…


何故この時期に？


そして何より驚いたのは、雪村と同じ顔…。

一瞬見間違えてしまい、このものが屯所の前に立っていたのを見て、
雪村は何故あのような所へ？と、疑問に思ってしまった。


＿＿＿だが、今日は少しばかりそのことに頭が回らない……。


昨日嵩峰の言った過去についてつい考えてしまうのだ。
何故そのことについて考えてしまうかは分からない。

……あまりにも衝撃的なことだったからだろうか？



ついボーっとしていると、

南雲という者の話が終わっていた。


藤堂｢一君、薫ってやつ三番組に入るって！またにぎやかに＿＿＿＿一君？」


平助が俺のほうを向いて話しかけてきたのに、ハッとする。

斎藤｢…ああ、そうか」



俺の隊に…な。


なんてことを聞き逃してしまったんだろうか。

これでは隊務に支障が出てしまう。
話をしっかり聞かねば隊務をおろそかにしてしまうかもしれない。




俺は素振りをしに中庭へと出た。

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