95 刀への想いと ページ3
風間「……その状態で、俺と戦うつもりか?」
A「……不本意ですがね。私とあなたが戦っても
私が負けるでしょうから」
きっと私と風間さんがこうして真剣で戦うのは5年振りだろう。
あのときも私はこの刀を風間さんに向けた。
『この刀がAを守るようにね』
微笑みながら、私にこの刀を渡した。
あの時の彼を、なぜかここで思い出す。
風間さんにこの刀を向けるほどの場面だとは今は思えないけど、
しょうがないかな……?
私が間合いを詰めようとすると、誰かがそれをさえぎった。
「A殿、それくらいにしておいていただきたい。…風間も」
A「天霧さん…あなたがどうして?」
さえぎったのは、私にとっては意外な人だった。
…この人も、私を里から出るのを止めた人だったから。
天霧「あなたがもう帰りたくないことは承知してます。
ですが一回その刀を納めてください。……彼が見ています」
……?
一瞬、その言葉の意味がわからなかったが、
天霧さんの視線をたどってみると、その意味がわかった。
A「……」
他の人もそれに合わせて視線を送る。
その場の全員の視線を受けるのは、
新選組の平隊士、
「あれ?見つかった?…皆さんの目、なんか怖いですよ」
佟崎炯。
物陰にずっと隠れていたらしい。
気配を消して……。
沖田「君、どうしてここに?平隊士は入ってこれないはずだけど」
沖田さんが殺気を出しながら聞く。
佟崎「まあ、にぎやかだったから来てみただけですよ」
答えになってないことを言い、
炯は私の持っている刀に視線を移した。
佟崎「まだ持ってたんだ、その刀…。俺の最高傑作」
A「……刀を買うほどの金がないので」
――そう、彼は私をまがいものにした人であって
私にこの刀をくれた人だ。
―――――ーーー
佟崎『刀ができたんだ!…これをずっとAに渡したかったんだ!!』
A『ぁ、ありがとうございます?』
佟崎『なんで疑問形なんだよ!ほめてくれよ!!』
A『何故…、貴方は犬ですか』
佟崎『へへ、
――この刀がAを守るようにね!
そう願って作ったんだ!!』
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樹(プロフ) - ようこちゃんさん» ありがとうございます…//!頑張って更新していきます!! (2013年3月27日 22時) (レス) id: 2b17fc2cec (このIDを非表示/違反報告)
ようこちゃん(プロフ) - すごい楽しみですよ〜! (2013年3月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - ようこちゃんさん» ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!四章では展開が早いと思いますが…主人公に色々なことがあります← (2013年3月27日 12時) (レス) id: 2b17fc2cec (このIDを非表示/違反報告)
ようこちゃん(プロフ) - ぱーと3が読み終えました。ぱーと4は明日読みます。主人公はどうなるのかな? (2013年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - 阿修羅さん» ぁ…何となくわかってしまったかも…… (2013年3月17日 21時) (レス) id: 2b17fc2cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹 | 作成日時:2013年2月15日 19時