＊ ページ9
Aside
先生はソレを眺めながら話す。
柊「中尾のだよ。ホルマリン漬けにすれば死臭は少ない。
明日には全部切断できる｣
そしてソレを手に取った先生は甲斐に差し出した。
柊「やるよ｣
甲斐は完全に恐怖に捕われ、小さく「ふざけんな……！｣といった後転げながらも美術室を出て行った。
取り残された私は先生を見ると目が合い、私にソレを差し出す。
柊「いる？｣
「………要りません
それにソレ、偽物でしょう｣
少し呆れながら言う。
もう何度も死体を見てきた。
そう簡単に騙されると思わないで欲しい。
柊「流石、水上だ｣
先生はソレを美術準備室に放り込み、私に椅子に座るように指示した。
私が椅子に座ると、その正面の椅子に先生が座る。
「……何ですか。昨日言った筈ですよ。私の事は話さない、と｣
柊「あぁ、ちゃんと分かってる。
俺が聞きたいのは、宇佐美が話していた男の子の話だ｣
先生は身を乗り出すかのように私の瞳を見つめる。
先生の目に、戸惑った顔をした私が見えた。
あぁ、私、こんな顔してるんだ。
柊「その子と、会ったり、話したりしたことは？｣
「先生には関係ありません｣
私は目を細めて笑って見せる。
柊「っ………何で｣
「もう一度言いますね。
昨日言った筈です。私の事は話さない｣
先生の顔が歪む。
何で、貴方がそんな顔するの……。
私に関わる事で貴方が傷ついてしまうかもしれないのに
……？
少し、違う……。
あぁ、そうだ、そっか
貴方と関わる事で、私が傷ついているんだ。
怖いんだ
また、誰かが殺されることが
先生の大きな手が恐る恐るというように私の頬を包み込んだ。
そして笑う。
柊「お前、顔も、凄く冷たいんだな｣
「辞めてください。
…離して、ください。｣
だが先生は私の顔を自分の目と合わせるためにぐっと動かす。
柊「いいか、水上。俺はお前の教師だ。
お前の、力になりたいんだ｣
まるで小さな子供をあやすかのような口調で、ゆっくりと私に言う。
教師だから
教師だから、私のために何でもできるというのだろうか。
「まだ、待ってください｣
声が少し震える。
私は選択できない。
覚悟が決まるまで
先生は悲しそうに笑い、私の背中を優しく叩いた。
柊「待つ、待つよ。
お前が話してくれるまで、待ってる。
御免な。
昨日待つって言ったのに、こうやって聞いて｣
貴方は悪くないのに
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 444人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪椿 - 桜花さん» こちらこそコメント有難うございます！更新頑張りますので、之からも楽しみに待っていただけると嬉しいです。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 更新ありがとうございます！ヽ(*´＾｀)ﾉ更新楽しみにしています (2021年3月5日 17時) (レス) id: 387b35d945 (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - う、うれじいでずぅぅぅう！( :д:) (2021年3月2日 23時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
雪椿 - くーと。さん» 待たせてしまって申し訳ありません……。テスト週間でした……（´・ω・｀）これから更新できる日が増えると思いますのでよろしくお願いします！ (2021年2月27日 22時) (レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - やっときたぁぁぁあ！！ (2021年2月27日 16時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
