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77 「おはようございまーす」 ページ1

「え…………っ」



目をひらいて、瞬きをすれば視界がクリアになる。

あっという間に夜目が利くようになれば、人が5人、布団に寝ている俺を囲んでいるのが見えた。体格から見て、全員男だろう。

5人とも、同じ色の__紺か紫色だろうか__忍者服を着て、さらにマスクをしている。
長い髪の毛はひとつに結われていて、その姿はいかにも忍者。



「なっ……!?」


思わず飛び起きる。
手をついて後退りをしようとするが、すぐ背中に脚がぶつかってしまう。







ついでに掛け布団は遠くの方へ投げ飛ばしたみたいに落ちていた。どうやらこの人たちが引き剥がしたらしい。







後ろに立つ人がしゃがみこみ、低い声で
「起きたな」
伏し目がちに、あるいは睨まれるように見られた。

続けて目の前にしゃがみこんだ、いくつかに別れた毛束の先が丸っこい、変な髪の毛をした人が
「おはようございまーす」

「…勘右衛門、夜だぞ」
りりしい眉毛でぱさぱさの髪の毛の人に咎められる。

「あっそうか。こんばんは?」

「挨拶しているバヤイじゃないでしょ」
またも後ろの方から声が聞こえる。低い声の人と全く同じ顔だが、こっちは柔らかい声だ。




「あ、………」



寝起きながらに頭が働いた。
天女の日記に、この人たちが出てきていた。
俺はこの人たちのことを知っている。






「はじめまして、天女様。私たち忍術学園の五年生です」






少しくせっ毛の黒髪の、勘右衛門という人の隣で膝をついたこの人は確か。





(……豆腐が好きな人……?)








と、同時に、何故忍たま(・・・)の五年生がここに揃って(・・・)いるのかというところに思い至る。



(まさか、夜這い…………なわけないし)



妖術にかかったんじゃあるまいし。
となると。
残った可能性は。




(……逃げなきゃ)




彼らの目を見て、本能的にそう思った。
この人たちは、俺に何らかの危害をくわえようとしている。

そんな中俺の妖術を発動させるわけにはいかない。





短く息を吸い、立ち上がって障子に一直線。

前のめりになりながら手を伸ばして、足を踏み出す。


が、


「おっと。どこに行くのですか、天女様」
「わっ?!」


すぐに身体が後ろに引っ張られた。

78 (マジでまともじゃないお願いじゃん……!!)→



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加糖雪(プロフ) - まんじゅうDXさん» こちらにもコメントありがとうございます…!ようやく五年生と絡ませることができました…!こちらこそここまで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2022年11月28日 17時) (レス) @page7 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 続編 おめでとうございます!! 5年生との絡み…最高ですねッ!! ここまで続けてくれて、本当にありがとうございます…! (2022年11月26日 18時) (レス) id: 8f3d0eca03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2022年11月25日 19時

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