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あの中に何があるのか見たい。
その為には、棚を開けるような仕事の手伝いをするか医務室に私一人しかいない状況になるかしないと……
まさか伊作さんは私を医務室に入れたくなくて?
(…いや、流石にそれは考えすぎだ…)
私は首を振った。
とにかく、だ。
そういう時のために目で見て一発で毒を毒だと分かるようになっておくべきなのははっきりしている。
(図書室に行こう。…もう少し時間が経ってから)
遠くの方で子供の遊ぶ声が聞こえてきた。
その姿は見えない。
この先には校庭があるのだということを思い出す。
(今は一人で考え事をしてたいから…そうだな、あそこの木陰で座ろうかな)
人のいないこの辺りで木を見つけ、そちらへ方向転換し足を踏み出した、その時だった。
「っ!?」
地面が、沈んだ。
何が起きたのか分からないまま吸い込まれるように
ぱらぱらと頭上から土や砂が落ちてくる。
「……え、」
(……落とし穴…?)
周りをぐるりと囲むのは土の壁、見上げるとまあるく切り取られた空。
完全に落とし穴だった。
とりあえずゆっくり立ち上がって、服についた土を払う。
(落とし穴って案外、痛くないんだな)
私一人がちょうど収まるくらいの大きさで、深さは…背伸びをして手を伸ばしてみるが、全然地面には届かない。
私の身長より深いみたいだ。
あともう少し身長が高ければ、ジャンプで地面に手が届いたかもしれない。
「…はあ」
ついため息をついた。
落とし穴から出る方法なんて知らない。
(この落とし穴も忍者の勉強の一環かなにかなのだろうか…)
伊作さんのあの心配そうな顔が浮かぶ。
(これ以上迷惑はかけたくないのに……)
どうしようか悩んでいると、ふいに入ってくる陽の光が遮られた。
空いた穴の方へ顔を上げると、
「おやまあ」
穴の底のこちらを覗き込む男の子がいた。
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加糖雪(プロフ) - 犬さん» コメントありがとうございます。お待たしてしまって申し訳ありません…また少しずつ更新していけたらと思うのでよろしくお願い致します! (2022年11月6日 0時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
犬(プロフ) - このお話の続きが楽しみです。更新楽しみにしてます。 (2022年3月24日 8時) (レス) @page27 id: f57686b26e (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - レン。さん» レン。さんコメントありがとうございます。学園の人達と関わっていく中で、夢主がどう変わってどういう選択をしていくのか見届けていただけると幸いです。今後もこの作品をよろしくお願いします…! (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - れなさん» れなさんコメントありがとうございます。感想をいただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが更新再開してますのでどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ ) (2022年1月16日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - これからの夢主ちゃんがどうなるのか気になります!!気長に更新待ってます! (2022年1月16日 4時) (レス) id: 6501380a5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年7月25日 4時