3 落とし穴と作法委員と焙烙火矢 ページ10
ぼすっ、どさっ！と音がした。
「あたた…」
「だぁいせいこお…と思ったけどAさんでしたか。ハズレですね」
「ハズレってどういう意味かな綾部喜八郎くん？」
「…負けた気がするので言いたくないです」
「え〜？気になっちゃうなあ〜！徹底的に暴いちゃいたいな〜？それよりこの落とし穴から出るのに手を貸してもらいたいんだけど…」
「嫌ですね。自力で出れるでしょう」
「そんな事言わないでよ。なんてったって天才トラパーの作った落とし穴だよ？編入生でありアホのは組の経験不足な五年生である俺には無理無理」
「あなたのそういうとこが気に入らないんですよ、僕も立花先輩も」
「俺は綾部も立花も好きだけど？大好きだけど？なんなら手を借りるついでにこの穴に引き摺りこんで助けが来るまでくっついて過ごすつもりだったけど？」
「流れるように聞きたくないこと自白しないで貰えます？」
「え、綾部？ごめんって！行かないで？！まって！」
深めの落とし穴に嵌ったAをそのままに、踏鋤を担ぐようにして喜八郎はその場を後にした。
遠ざかる足音を追いたくて、Aは穴の中で立ち上がり、ぴょんと飛ぶと地面に手をかけそのまま穴から這い出る。
「綾部は冷たいなあ。でもそういうクールなところも好きだよ！なんというか、攻略し甲斐があるよね！」
「……やっぱり自力で出られるじゃないですか」
「え？ほんとだ！綾部を追いかけたい一心だったからかな？…はっ、もしかしてこれが愛の力…！？」
「違うと思います」
Aは喜八郎に並んで歩いた。
「……いつまでついて来るんですか？」
「そりゃあどこまででも！」
「迷惑ですね。適当なところで埋めましょうか」
「それは死んだ時に墓として頼む」
「縁起でもないこと言わないでください」
「あはは、だよねえ！けど俺は死んでも死なないから安心して？」
どういう意味、と冷たい表情のまま喜八郎が聞き返そうとした時、仙蔵の叫び声が響いた。
「立花の声…？」
「生首フィギュアの倉庫の方からですね」
2人は揃って声のした方に駆け出した。
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます！ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜！こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (
レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……！無理のない程度に更新頑張ってください！ (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます！楽しんで頂けている様で何よりです…！応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします！ (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ｳｯ…凄く好きです…！！ホント主様の文才が神すぎて…！更新楽しみにしてます( ﾟдﾟ)頑張ってくださいー！！ (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加糖 雪 | 作成日時：2021年5月12日 22時
