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「こんにちは。忍術学園から代役ではるばるありがとうございます。これは学園におすそ分けのお魚です」
鬼蜘蛛丸からAへ、目的の魚の入った籠が渡される。
「い、いえいえ!ありがとうございます。確かに受け取りました。それより魚料理ってうわっ」
今度はAの後ろからすっと手が伸びてきて、Aの肩に腕が回されたかと思えばぐっと引き寄せられた。
「いいや?すぐ戻らなきゃいけないんでしょう?」
「よ、義丸さん……!!」
「美味しい焼き魚に刺身に蒸し焼き、唐揚げ……いろいろあるんだけどなあ」
「ぐ……!」
食べるのが大好き故に、早速1に食べ物2に忍たまと順位があっさり大逆転しそうである。
「いけー!」
「押せー!」
「落ちる!落ちるぞ!」
「あと一押し!」
岩陰からは波の音に紛れてやいのやいの野次が飛んでくる。
「ちょっとだけ寄っていきましょうよ?ね?」
重がもう一押し、してみるが。
「う、ぐ……っ!!ごめんなさい今日は遠慮します!俺には伊作がーーーっ!!」
「はは。そう言うと思った」
鬼蜘蛛丸がはい、とAの開いた口に串に刺さったそれを含ませた。
「んむ」
なんだか香ばしい。
「焼き魚。馬借の人の分も。食べながら帰りな」
微笑みながら、どこからか取りだした2本目をAに渡した。
大きい。パリパリ。でも噛むとじゅわっと旨みが広がる。
「う、うう、美味しい……っありがとうございます……!」
兵庫水軍の優しさに涙ぐんだかと思えば、
「あ、もう1匹分…伊作の分もいただけますか?」
「こういうとこ遠慮ないよなこの子は」
義丸はケロッとしているAからぱっと回していた腕を解いた。
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます!ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜!こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……!無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです…!応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ウッ…凄く好きです…!!ホント主様の文才が神すぎて…!更新楽しみにしてます( ゚д゚)頑張ってくださいー!! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年5月12日 22時