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「ちょっ、二人とも…!」
ランチを食べていた伊作はその場に立ち上がりながら、止めようとする。
「きっかけを与えてくれた伊作に感謝だよ〜!後でお礼に薬草か包帯贈らせてね!」
だが、そんな伊作の言葉が聞こえていなかったらしいAは、伊作の横を通りすがったところでウインクをした。
「えっ、本当……?!」
「おい伊作!絆されるなよ!!」
普段から予算の足りていないせいか、委員会活動に役立つものが手に入ることに伊作は思わず仲裁しようとしたのをやめて期待した目になる。
「ただしハグ付きで〜!」
「お前はカツ丼の件をもっと反省しろぉ!!」
留三郎が今度は堂々と高く拳を振り上げたところで、食堂に台所から出てきたおばちゃんの怒号が響く。
「コラァ!!やめなさい!!」
ぴたりと動きを止めた留三郎とAは、あっ、と揃って声を漏らす。
「「す、すみませ〜ん…!!」」
慌てておばちゃんの目の前まで駆け寄ると、深々と頭を下げた。
「……外出るか」
「……そうだね」
「…カツ丼がとんでもないことになったな」
「大丈夫かなあ…」
ランチを食べながらその様子を見ていた三郎と雷蔵は、苦笑いを浮かべた。
「と、いうわけで外に出てきましたが」
「よし、始めるぞ」
「いや、ちょっとまってね?なんか人が集まってる気がするんだけど…」
思い切り勝負ができるようにと学園内の広い場所へとやってきた留三郎とA。
しかし向き合って立つ二人の周りには、様々な学年の忍たまたちが集まってきていた。
「食満先輩とAさんの2回目の対決!観戦チケットいかがですかあ〜?!」
「原因はあれだろうな」
「なるほどきりちゃんね……ていうか話出回るの早くない?」
「狭い学園だ。そんなもんだろう」
「二人とも、怪我しないでね〜!」
集まった忍たまの中に紛れる伊作が二人に向かって叫ぶ。
二人は手を振って伊作に答えた。
「おう!任せとけ伊作!」
「心配ありがとう、好きだよ伊作〜!」
「……お前なあ」
「好きなのは事実なんで」
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加糖雪(プロフ) - 乃花おむ子さん» 乃花おむ子さんこちらにもコメントくださりありがとうございます!ギャグに自信ないのですが笑っていただけて嬉しいです〜!こちらの作品はかなりゆっくりの更新になりますがよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年9月25日 18時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて笑いながら読んでしまいました……!無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年9月24日 7時) (レス) @page27 id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - まーぶりんさん» まーぶりんさんコメントありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです…!応援ありがとうございます。今後も何卒よろしくお願いいたします! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 22bc115167 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - ウッ…凄く好きです…!!ホント主様の文才が神すぎて…!更新楽しみにしてます( ゚д゚)頑張ってくださいー!! (2021年5月20日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年5月12日 22時