検索窓
今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:57,595 hit

2 ページ32

そんなことをして一体何になるのだろうか、とは思いながら、しかし優しさを貫き通す彼に私は息が詰まりそうな思いだった。


私は量が少ない、の言葉通り少し小さめのおにぎりを2つ、きちんと完食する。



「保健委員の子たちから話は聞けたかしら」

私が昼食を食べている間、ずっと傍についている山本さんが食後に残りの茶を啜る私に訊いてきた。

「…はい。忍術学園の話を一通り…」
「それは良かった。賑やかな反面少し騒がしいところもあるけれど、忍たまや…機会があればくのたま達と仲良くしてくれると嬉しいわ」
「…」



仲良くする気も無ければ、早くここを出ようと考えている私は黙ったまま頷いた。




この人たちは、私をどうしたいんだろう。

浅い考えが浮かんで消えた。





*




することもないまま、畳まれた布団の上で横になってただぼんやり過ごして夜になった。



唯一山本さんが、夕方の授業終わりと夜ご飯のとき にこの部屋へ顔を出しに来た。

そして先程もやって来て、寝間着に着替えるように言って「おやすみなさい」と立ち去ったばかりだ。




山本さんが敷いて行った布団に横になる。

だが、いくら布団を被って目を閉じていても眠れない。



やがて私はゆっくり起き上がった。



(…少し、風に当たろうかな)



私は部屋を出た。

3→←12 - 1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:忍たま , rkrn
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年4月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。