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陽が完全に落ちかけ、辺りもすっかり暗くなってきたところで、忍術学園の教職員は再び学園長先生の部屋に集められた。
理由は今朝と同様、「倒れた少女について」。
教師たちを前にして、学園長先生は快活に告げる。
「かくかくしかじか、と、いうわけで、Aが回復するまで忍術学園に置くことに決めた!」
その宣言は、いつものように学園長先生が勝手に決めたことであったが、否定する者は居なかった。
困っているなら助ける。
忍びではあるものの、情に厚いところがあるのもまた忍術学園であった。
「それじゃあ、Aはくノ一教室の長屋の方に…」
学園長先生がくノ一教室の担当である山本シナ先生に言うが、シナ先生は首を横に振った。
「学園長先生、そうしたいんですが今くノ一教室の方には空き部屋が無いんですよ」
「忍たまたちの長屋にはいくつか空き部屋がありますが…」
山田先生がそう言うが、山田先生含め全員が黙り込んでしまう。
教師たちの懸念は、誰一人口にはしないものの、皆分かっていた。
忍たまたちの生活と隣り合わせの場所に、異性をおくのは避けたい ということだ。
忍たまとくノ一たちも、それで生活する場所が分けられている。
「…じゃあ、私と山田先生の部屋の近くの空き部屋にしませんか」
はっと何かに気がつき、提案したのは土井先生だった。
「忍たまたちの部屋から少し離れていますし、端の方ですし」
「それが良いですね」
と山田先生が言うと、学園長先生も頷き部屋は決まりとなった。
「彼女の身の回りのことについては私が」
「山本シナ先生、頼んだ」
女性の教員が自分しかいないことから、自ら名乗り出る。
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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年4月6日 16時