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「目が覚めたって本当ですか!?」


新野先生が少女の分のご飯を取りに食堂へやって来ると、そこで同学年の仲間たちと夕食をとっている伊作を見つけ、食堂の外へ連れ出し少女のことを伝えた。

「あっ!」と伊作は大声を出した自分の口を咄嗟に抑えるが、もう遅い。

食堂の外と言っても2人は入口付近で話していたため、今の伊作の大声は食堂中に聞こえてしまった。
その証拠に、食堂にいた生徒たちが学友と話をしているときとは少し違ったざわめきをしている。


一斉に色んな人に目を覚ましたことが伝わって、注目を浴びてしまうのも少女が可哀想かなと思った新野先生が彼なりに気を配ってみたつもりだったが、意味がなくなったようだ。

「す、すみません…」
「いえ、いずれは知れ渡ることなので」
「ああでも、とりあえず良かった…」

伊作はやっと胸を撫で下ろす。

「それで、今から医務室にご飯を持っていこうと思っていて」
「それなら私も行きます!彼女1人で夕ご飯というのもきっと寂しいので、一緒に医務室で食べようと思います」
「それは良いですね。わかりました」

新野先生が医務室での食事に頷くと、伊作は急いで食堂のおばちゃんに説明して、ご飯をお盆ごと運び出すことへの許可を貰った。



そして伊作は自分が先程まで座っていた席に戻り、自分の食べかけのご飯の乗ったお盆を手にする。

「留三郎、僕医務室で夕ご飯食べてくるね」

一緒に食べていた留三郎に声をかけると、「え?」と声が返ってきた。

「あの子が、目を覚ましたみたいなんだ」

伊作が説明をと思ってそう言うが、留三郎は箸で炊きたてのお米を1口分持ったままため息をついた。

「それはさっきお前が大声で言ってたから知ってるって……それはいいが、おばちゃんのご飯持ったまま廊下で転ぶなよ」

留三郎がからかうように、でも若干不安そうに笑う。


「ああ、もちろん!」

伊作は喜びが隠せないような声音で返事をした。

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作品ジャンル:アニメ
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加糖雪(プロフ) - Hanakoさん» ありがとうございます!^^ (2021年4月25日 21時) (レス) id: ac64387404 (このIDを非表示/違反報告)
Hanako - 面白い!! (2021年4月17日 18時) (レス) id: 1d8bf8714f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年3月31日 9時

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