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「早速だけど、1年生全員で訓練しよう」
そう言う五条先生に連れられ、私を含めた1年生4人は敷地内の広場…校庭に当たるのであろう場所にやって来た。
「と言っても、Aは全てが未経験の初心者だから、体術と呪力の使い方の基本を教えてあげて欲しい」
「…え」
「え、って何が?」
つい口から零れたのを五条さんは聴き逃してくれなかった。
「……私、ただ祓ってもらうのを待つだけじゃ」
「ええ?初めにも言ったでしょ。“君の力は使い方を覚えればきっと役に立つ”って」
と、言うことは、私にも呪術師である他の3人と同じようになれ、と。
思い出すのは学校で呪霊と戦っていた3人の姿。
「私は万が一、この呪霊が周りに危害を加えるような自体にしたくなかっただけで、」
「いいかい。無意識のうちに呪力を使ってしまうことは危険だ。だから力の使い方を覚える必要がある。
それからね、見えるってだけでも他の呪霊が寄ってきたりする。襲われることもある。
何しろ君は呪霊と行動を共にしている訳だし。
君が高専に来るまでの数日の間、護衛をつけていただろう?
だから、自分の身を自分で守れるようになる必要もある」
「……」
自分の想像力の乏しさが急に恥ずかしくなった。
自分の持つ力に、まだ実感が湧かない。
でも、現に私はひとつの呪霊を特級にしてしまっている。
絵に呪力を込められてしまう。
呪霊が祓われたとしても、呪力自体は失われないかもしれない。
それなら、この呪力の正しい使い方を知るべきだ。
ぐっと強く握って拳を作った。
「…すみません。私何か勘違いしてました」
“君にはその才能があるかもしれない”
持っている才能には責任を持て。
そう、周りを妬んだのはかつての私じゃないか。
「…なんとか、やってみます」
「分かればよし、できるだけ早めに戻るけど僕は用があるから。3人とも、あとは頼んだよ」
はい、と3人のまばらな返事。
私は五条先生に背中をぽん、と叩かれた。
「頑張れ」
「…はいっ!」
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加糖雪(プロフ) - ねむさん» ありがとうございます!続編でもよろしくお願いします〜! (2022年2月11日 4時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - ひぇ〜!また更新されておる〜!!めちゃくちゃ良いデス!自分のペースで続編よろしくお願いします (2022年2月7日 22時) (レス) @page43 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - ねむさん» ねむさんコメントありがとうございます!面白いですね〜どんな風に強くなっていくか、今後の展開に期待していただければと思います! (2022年2月7日 9時) (レス) @page42 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 夢主、絵が命かけれるほど大好きなんですね!えと、絵を破かれたりしたら強くなる…みたいなことを妄想しました(><#) (2022年2月5日 20時) (レス) @page35 id: 38d2d0b865 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - るきー流季ーさん» るき―流季―さんコメントありがとうございます!絵師を目指していらっしゃるんですね。この作品をもって私も読んでくださる方を応援できるように頑張ります! (2022年1月30日 22時) (レス) @page23 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年1月20日 1時