【文スト】文豪さん、反応記録帳。五冊目

＊貴女が紹介した弟が、彼の追っている凶悪犯だった ページ44

「弟だよ！遠くに住んでるから中々紹介できなくて」

「初めまして」




中島敦
「初めまして！」
最初は気づかないものの、珈琲を出した時にファンデーションで隠した特徴的な黒子が薄らと見える。
「……」
新人社員の彼には、どうするべきか中々判断が付かず太宰にこっそり助けを求める。


太宰治
「初めまして、いつもお姉さんにはお世話になっているよ」
見た瞬間気づくものの、それを一切顔に出さない。
貴女が御手洗に席を外した時、無言の攻防が始まる。
『…気づいてんだろ』
「……なんの事だか」


国木田独歩
「こちらこそ初めまして」
きちっと礼をする彼は、早速脳内で次の行動を思案中。
「珈琲と緑茶のどちらがお好みで？」
特徴としては完全に一致。
睡眠薬を混ぜて、二人きりになるタイミングを狙うか？否、それは…
「珈琲で、かしこまりました」


福沢諭吉
「初めまして、福沢だ」
先日資料で見た顔によく似ている。
ただ、まだ社員で共有できておらず、この事実を知った貴女がどう思うかと、心が痛くなる。
「…中に入るといい」
しかし、市民の安全を守るため。心を鬼にする。


江戸川乱歩
「僕は難事件を幾つも解き明かしてきた名探偵だ」
貴女の弟では無いかという推理があった様。
「(…白か)」
「まぁ、喫茶店でも行こよ。僕はすぺしゃるサイダーパフェね」
貴女の行く末を考えると、心がどんより重くなる。

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