【twst】狩人のお友達やってると陰キャでも強くなれる

七話 ページ7

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「ボンジュール、ムシュー・ハンター。どうやら昨日は夜更かしをしたようだ。寝坊もしたね。保湿を忘れたのかな？肌の調子も一段と悪い。Mon dieu(なんてことだ)！唇も荒れている、リップを塗ってあげよう」

こわいよぉ、こわいよぉおお。なんで目視だけでそんなにわかるんだよぉルーク先輩。ボクフード被ってるのに。狩人だから？狩人だからか？ボクの知ってるハンターでも目視だけじゃモンスターの弱り具合をそこまで判断できる奴はいねぇよぉ……。

中庭の人の寄り付かない場所でゆっくり読書をしていたら、校舎の方からいきなりルークパイセンが降ってきた。親方空からイケメンが。
おまけに出会い頭で昨日の夜更かし、朝の寝坊、それで保湿を忘れて部屋が乾燥していたせいで荒れていた唇まで咎められ、流れるような仕草で薬用リップを塗られてしまった。しかもそのリップ形状的に新品では……？あれなんでボクの胸ポケにつっこむんだよ……？

おかげで完全にスペキャになってしまった。狩人おそるべし。常にケーキを持参してお茶会に誘ってくれる、謎の物好きな先輩なだけではないのだ……。

「る、ルーク先輩……」
「ん？」
「あ、いや……」

なんか流れで名前を呼んでしまったが次の言葉が出てこない。むり。無理でしかないでござる。
えーと、共通の話題。美容はダメだ。ゲームもルーク先輩は詳しくない。えーっと、えーっと、オルト先輩とか寮長先輩ならスラスラ喋れるんだけど、えーっと。

相変わらず麗しいお顔のルークパイセンは、以前ボクの前にしゃがみこんで笑っている。待ってくれているとは思うのだが、しかしそれでもボクの語彙力はこんなところで死んだ。


「えー、えっと、その、ネコチャンのたくさんいるスポット、ご、ごぞんじ、ですか……？」


失敗。オワタ。何が？人生がに決まっている。
なんだよ悩みきった挙句にネコチャンの話題って。おい。ネコチャンに罪はない。罪深いのはこのボクだけど、流石にこれはないだろう。

「ふ、ふふふふふ、ふははははは」

ほら笑い出してしまった。手遅れみたいな笑い方じゃん。やばいじゃん。ラスボスの笑みってこう言うことを言うのか？怖すぎんか？

「D'accord(いいだろう)！私の知る中で、ふふふ、もっとも猫の集まる場所まで連れて行ってあげよう……ふふふふふ」


爆笑する先輩はきちんとネコチャンの集会場まで本当に案内してくれた。


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