中也さんの彼女は……… 2 (ページ28)

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其の七十七ページ28

No side

敦「ぼ…僕のせいでみんなが……？」

貴「然り。
それが貴様の業だ。人虎。
貴様は生きているだけで周囲の人間を損なうのだ。」

前回同様。愛染の目には光がない。完全に"ポートマフィア幹部"の顔だ。

貴「自分でも薄々気づいているのだろう…？」

敦は答えない。

芥「『羅生門』……」

黒刃が、敦の足元のすぐ側の地面を削る。

芥「僕の羅生門は悪食。
あらゆる物を喰らう。

抵抗するなら次は足だ。」

敦「な、何故？どうして僕が……」

谷「敦くん……逃げ、ろ…」

谷崎はまだ少し力が残っているのか…敦に声を掛ける。

敦は何かを決心したようだ。

そして、芥川を見据え走り出した。

敦「うぁぁぁぁぁぁああああ！！」

芥「玉砕か………
詰まらぬ」

だが、敦は芥川の腰から銃を抜き取り、撃った。

芥川の背中に直撃したかと思いきや

芥川はぐりんっ、と敦の方へ体を向けた。

背中から落ちた薬莢が、乾いた音を立てた。

敦「そ、んな……」

貴「今の動きはなかなか良かったぞ…人虎よ…」

芥「しかし所詮は愚者の蛮勇。
云っただろう。僕の黑獣は悪食。
あらゆる物を喰らう。
仮令それが『空間そのもの(・・・・・・)』であっても、だ。」