中也さんの彼女は……… 2 (ページ24)

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其の七十三ページ24

No side

谷「アハハ
それは脅されましたねェ」

敦「笑い事じゃないですよぅ」

穏やかに笑ってそういう谷崎に、情けない顔で敦が言う。

敦「兇悪なマフィアとか、直ぐに死ぬぞとか……
とんでもない処に入っちゃった」

そんな敦に、谷崎が苦笑しながら言う。

谷「まァまァ…
ボクでも続けられてる位だから大丈夫ですって」

貴「そうですよ。怒りさえ買わなければ彼らは理不尽に襲うなんてこと、しないと思いますよ？」

先を歩いていたAが振り返り、にこやかに言う。

敦「…そうですか？
でも、谷崎さんも『能力者』なのでしょう？
どんな力なんです？」

この話題には、樋口もAも耳をそばだてた。

尤も、後ろの3人は気づく様子など無かったが。

谷「や、あんまり期待しないで下さいよ。
戦闘向きじゃないンですから」

そういう兄に、ナオミが笑ってくっつきに行く。

ナ「うふふ、兄様の能力素敵ですわよ。ナオミ、あれ大好き！」

そんな妹に照れたのか、谷崎が少し慌てたように止めなッて…と言う。

ナ「あら、口応え？
生意気な口は、どの口かしら。」

つーっとナオミの指が谷崎の顎から唇へ上がり、そのまま唇をなぞる。

それを見た敦は顔が赤くなり、あわわわ…となっているようだった。

樋「……着きました。」