真夏のお前は罪な太陽 ( 緑×橙 ) (ページ2)

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2. 告白ページ2

(green side)

それからはさっきまでの話もすっかり忘れて、2人でたわいない会話を続けた。くだらなくて、明日になれば覚えていないような中身のない会話。
こういう事ができる関係ってほんまにええなあ、なんてしみじみと思う頃には、机の上が大量の空き缶でおおわれ、鍋の中身もすっかり食べ尽くされていた。

「はあ、飲んだな」

ぐったりと背もたれを後ろのソファに預けると、「せやね」ってマルが立ち上がる。

「俺、これ片付けてくるね」

言いながら熱の冷めた鍋を持ち上げたから、

「ええよそんなん。俺が後でやるし」

って座ったまま顔を上げたけど、

「ううん、俺がお邪魔してるんやから大倉は座ってて」

マルはそう言ってすぐに台所へ行ってしまった。

「じゃあお言葉に甘えて」

呟いてソファに座り直すと、さっきまではただのBGMでしかなかったバラエティ番組に目を移す。

少しの間テレビ画面を見つめたけど、やっぱり一人で皿洗いさせてるのが気になって立ち上がると、水の流れる音がする方へ向かう。

「やっぱ俺もなんか手伝うわ」

俺が来たのが予想外だったのか、大袈裟に肩揺らしてこっち振り返ったマルを見て、驚く。

「…なんで、泣いてんの」

さっきまで笑顔で話してたマルの突然に歪んだ顔に動揺したのは、俺だけじゃなかった。

「あ、いや…なんで、やろうね。ほんま…」

声を震わせながら、服の袖を目元に擦りつけるマル。
慌ててさっきまで座ってたソファ指差して、

「っほら、そこ座って。話聞くって」

「や、ええから…」

「ええとかやなくて、なんか辛いことがあるんやろ？話してくれな、こっちも心配なんやって」

黙ったままのマルの腕を無理矢理引いてリビングに連れてく。
そのままソファで隣に座らせれば、少し落ち着いた様子のマルが下を向いた。

張り詰める空気にそぐわないテレビの音を消さないのは、あまりにも重たい空気に耐えられないからだ。つい数分前まで俺たちの賑やかな声が響いてた部屋からは想像もできない、梅雨の湿気よりもじめっとした空気。

…ああ、迷惑なことしてもうたかな。マルにだって隠したい話くらいあるやろうし。沈黙の時間が経てば経つほど、無理にでも話聞こうとしてた俺の行動に罪悪感が膨れて。
ごめんな、やっぱり話さんでええよ。そう言いかけたのを制したのは、マルの声だった。

「大倉が、彼女いるって言うたんが…嫌やった」