十七輪 ページ17
今までずっと女子校育ちで、周りに全く男性がいなかった生活を送ってきた私は男性と話すのが余り得意ではないのだ。
暫く歩いた後、声の主に近づいたのか女性の声が大きくなった。
(この声は……優希ちゃん？！)
女性の声が大きくなったため気づいたが、その声の主は一緒にここへ来た優希ちゃんのようだった。もしかしたら近くに美沙子ちゃん達もいるかもしれない。
私のことを哀れに思った神様が救いの手を差し伸べてくださったのか。まさか友人と巡り会えるなんて。
こんなことを仏教徒である日本人の自分が言うのは不味いだろうか。否、特に一つの宗教を固執して信仰している訳では無い私には関係のないことだろう。神社にも寺にも行くもの。
先程の一件で少し気まずいけれど、一緒に帰るくらい快く承諾してくれるだろう。
私は更に廊下を進み、聞こえてくる声を頼りに優希ちゃんがいる場所を探す。
すると、声の出処であろうある部屋を見つけた。
一見他の部屋と変わらないように見えるが、襖には美しく、そして細かく絵画が描かれていて他よりも豪華な造りの部屋を連想させる。
そういえばさっきいた部屋もそんな感じの襖だったような。
妙な既視感を目の前の部屋に抱きながら、私は屈んでその部屋の襖に近づいた。
襖はきちんと閉まっておらず、少しだけ隙間が空いていた。
普通に襖を明け、部屋へ入ろうかと思ったが、中の様子が分からない以上そんなことは出来ない。
……隙間から中を覗き見るなど不躾であるとは重々承知なのだが、嫌いな場所に連れてこられた上、中々帰る道が見つからないことで少々自暴自棄になりかけていた私は心の中で、ごめんなさい、と中にいる人と先程信仰をあやふやにした神様に謝り隙間に顔を近付けた。
「…………っ！！」
中の光景を見た瞬間、私は近づけていた顔を勢いよく後ろに引いた。
着物のはだけた女性とその上に跨る男性。
男性が動くのにあわせて女性は嬌声をあげる。
その声と共にきこえるは、肌のぶつかり合う音と水音。
幾ら今まで恋愛や夜の遊びと無縁な生活を送っていたとはいえ、これが何なのか分からないほど
家の書庫に勉学の資料を探しにいった際、偶然見つけてしまった春画には衝撃だったのを今でも覚えている。
誰が見ても分かるこの光景は所謂男女の“まぐわり“というもの。
一糸まとわぬ姿で身体を重ね合うその姿は“男女“というより、“雄と雌“と形容するのが正しいだろう。
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藍瑠(プロフ) - 夜さん» ありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです。続編もよろしくお願いします！ (2022年3月15日 16時) (
レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - ウルさん» ありがとうございます！嬉しいです、続編もよろしくお願いします！ (2022年3月15日 16時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - 匿名希望さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年3月15日 16時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - Haoto-ハオトさん» ありがとうございます！更新不定期ですが、気長にお待ち頂けると幸いです！ (2022年3月15日 16時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
藍瑠(プロフ) - えゆさん» ありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2022年3月15日 16時) (レス) id: 52af00e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍瑠 | 作成日時：2020年3月16日 20時
