格子から見上げる世界 弐 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.60 ページ6

「淳太くんは本当にあっくんの事

愛してるんやと思うで

やって、淳太くんがあっくんの事話してる時の目な

今のこの目と同じやねん」

 


するんとあっくんの目元を指でなぞる

 
 

「フフフ…優しくて愛おしいって

心から思ってる目…」

 
 

その手を取られる

 
 

「やったら何で！」

 
 

「やからこそ！

愛してるからこそ…

足枷にはなりたくないんやで

あっくんみたいな、身分のある人なら俺らみたいな仕事のもんを奥さんにしたら

絶対あっくんが悪く言われる

自分の事は悪く言われてもええけどさ

愛してる人が自分のせいで悪く言われるの耐えられへんよ」

 

「………そんな事…」

 


力なく呟くあっくん…

 

「でもな…俺、淳太くん好きやねん

大好きやねん

やから幸せになって欲しい…

他の誰でもない、あっくんと」

 



「もんち…」

 


がしっとあっくんの両肩を掴む

 


「あっくん！本気で淳太くん好きなら、攫ってでもお嫁さんにしてよ

ほんで守ったってな

淳太くんの事悪く言う人から

やないと俺、許さへんからな」

 


満面の笑みをあっくんに向ける

 

あっくんもさっきまでの、弱々しい表情じゃなく

いつもの豪快な笑顔を見せてくれる

 


「ありがとうな

もんちに相談して良かった

元気でたわ

よし！俺、頑張るな

そして強なる、淳太くんを守れる男になるな」

 


「んふふ…うん」

 
 

覚悟を決めたあっくんの横顔がとても

男らしく見えた

 

そんな夜

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