No.22 ページ22
虚しく上げていた右手を見て出そうになるため息を飲み込む
大学のキャンパス
智子を見かけて声を掛けようとして手を挙げ大きく息を吸い込み、声を出そうとして躊躇ってしまった
智子の向かいにいるイケメンを見つけて
「アイツ確か…」
そいつはキャンパスでも有名なイケメン
確か藤井って言ったような
あれだけイケメンなのに彼女が居ないみたいや、どんな美人が言いよっても全く靡かへん
なんて女子共がよう騒いでるのに遭遇する
そのくらいには有名人や
「そんな藤井と智子がなんで…
えっ、まさか智子の彼氏が藤井とか…」
そう思ったらいても立っても居られなくなり、コソコソと2人に近づく
情けないけど話しを盗み聞きする為に
そして聞こえてきた仲の良さそうな2人の会話
その内容は明らかに付き合ってるであろう男女の会話に聞こえて
5分前に見たやり取りが頭の中を駆け巡り
その会話の内容を何度も反芻しては死にたいくらいに落ち込んでしまう
『智子の手料理が食べたい』『一人暮らしの部屋』『泊まらせてもらおかな』
智子の口からハッキリと聞こえた泊まるという言葉
一人暮らしの男の家に泊まる
もう、それはソウイウコトをしてると言うことで
「アイツが智子の彼氏なんかな、アイツの為にあんな下着つけてるんかな…」
口に出して益々落ち込んでしまう
「はぁ…俺、なんでちゃんと智子に気持ち伝えへんかったんやろ」
そんな俺の独り言は虚しく誰の耳にも届かず空気に溶けていった
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作者名:ルナ | 作成日時:2021年11月1日 15時