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No.16 ページ16

胸に抱えている大切なもの


旦那様から頂いたそれ

 

「嬉しいな…旦那様からの贈り物」

 

そっと桐箱を開きその髪飾りを手に取り月の光に照らしながら眺める

 


「綺麗…何の花やろ」

 

「ヒメユリやな」

 

後ろから声がして、その声に驚き振り返る



「シゲ!驚くやないの!
もう、部屋入ってくるなら声掛けてや」

 

「神ちゃんが帰ってくる前からおったし
嬉しそうに胸になんや抱えて帰ってきたから、気づいてへんかったのはそっちやで」


 

全て見られて、聞かれていたのだと言われ、顔に熱が集まるのが分かる

 


「もう、なら尚更声かけてや…」

 

「それより私にも見せてや、そのヒメユリの髪飾り」

 

「ヒメユリ…?
この綺麗な花はヒメユリって言うの?」

 

「そうやで鮮やかな朱色のヒメユリ
それにしても…旦那様、粋なことするな
ヒメユリは七月一日の誕生花なんやで」

 

「えっ…七月一日って…
私の誕生日」

 


ますます嬉しくなり、ヒメユリの髪飾りを見つめる

 


「旦那様、神ちゃんのこと大切に思ってくれてるんとちゃう?」

 

「そんな事ないと思う…でも智子って呼んでくれて明日の朝ごはんも楽しみやって言ってくれてん
私はそれだけで幸せやから」



「そうか…」



旦那様から貰った初めての贈り物

『智子』と初めて名前を呼んでもらえた夜


嬉しくて、ヒメユリの髪飾りがとても素敵に感じで


いつまでも月明かりの中で抱きしめていた






 

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ぐでLove(プロフ) - 15辺りから同じ話が入ってます! (2020年7月2日 0時) (レス) id: cc32400ee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルナ | 作成日時:2020年6月9日 15時

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