格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.33 ページ32

淳太くんの阿呆！！

 

 

 

三味線の音に合わせ舞いながら、心の中で叫んで、強い視線を向けてみるけど

 

 

どこ吹く風といったふうに、優雅に笑っているだけ

 



聞いてへん！

 

今日のお客様が流星やなんて

 

 



まぁ、正式にはこの前のお客様が淳太くんをご指名し

そこにまた、流星が一緒に来てるんだけなんやけど

 

 



 

舞が終わりご挨拶をし淳太くんの傍につく

 

 

 

『相変わらず緑翠の舞は見事やな

まだまだ可愛らしくもあるけど

どこが色気がある』

 

 
 


「ねぇ…かわいらしい子でしょ

藤井様」

 

 
 

『ハハハ…

天下の黃珀には全てお見通しやな

なぁ、藤井

藤井はここがと言うよりは、緑翠がたいそう気に入ったみたいでな

次はいつ行くのかと

また、連れていけと言われてね』

 

 

 

「緑翠に会うために私をだしにするなんて

これでも天下の花魁なんですよ

藤井様

それだけあの子は可愛ええですけどね」

 

 

 

 

「ちょっと…お二人共そないな事言わんでくださいよ

それに黃珀さんを、だしだなんて…

恐れ多いです

あっ、緑翠、会いたなかったって言ってる訳ちゃうよ」

 

 

 

クスクス…

 

 

二人に揶揄われしどろもどろになる流星

 


 

思わず笑ってまう

 

 


「緑翠まで俺の事馬鹿にしてるやろ」

 



「そないな事思ってまへんよ

私もお会いしたかったですよ」

 
 
 

「……///」


 


 

「緑翠、2人で下がってええよ

藤井様をおもてなししなさい

ただし…」

 

 

 

笑顔やけど鋭い目付きで見つめられる

 

 

 

「黃珀姐さん

分かりました、心得ております」

 

 

 

俺も負けじと視線をそらさずハッキリと答える

 
 

フッと優しい目付きになる淳太くん

 

 
 

 

「楽しんでおいで

緑翠…藤井様…」

 

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