空回った行く末は【sha】 ページ27
俺には専属メイドと呼ばれる側近がいる。
専属メイドと称するくらいやから、
普通の人は
いつも一緒にいるメイドさん、
つきっきりでお世話をしてくれる可愛い子
なんて思うだろう。
けど、俺の専属メイドはそうじゃない。
『どこいってんアイツは!!』
今日も彼女は俺のそばにいない。
あー、そうや?
彼女は俺と違って"人気者"やからな!
頼もうにも彼女はいつも忙しそうだから、
____
「シャオロン様何かすることありますか?」
『あー…、大丈夫!俺一人でやれるから』
_____
なんて言ってしまう。はぁー、俺も大概アホ。
部屋でイライラしながら溜まった報告書を片付けていると、コンコン、ガチャりとドアが開けられる。
ut「シャオちゃーん」
『大先生…、Aならおらんで』
入ってきたのは大先生。よく俺の専属メイドを誑かしてると他メンバーから聞く。
今日も何気なしにデートの約束でもしに来た、そんなとこだろう。
ut「おん、知ってるで。だって今ゾムの弓練付き合ってるの知ってるからな」
『あっそ』
ut「…シャオちゃんってあの子に関しては結構ドライよね、なんでなん?」
『別にそんなことはないよ。大先生の気のせいやって』
ut「そーかなぁ?」
俺は大先生と会話しつつ、目線を報告書に戻す。
ほんとに大先生に言った通り、彼女に態度は変えてへんつもり。
けど…彼女にもそう思われてたらどうしよ…
彼女は元気やし、明るいし、趣味も豊富、程よくイタズラも出来て、一緒におったらめっちゃ楽しい、そりゃ人気者になるわって性格してる。
…羨ましいなってとも思うよ、
ut「その、たまに出るシャオちゃんのツンデレ、僕にはわかるけど、彼女にはわからへんよ。シッマ程にとは言わんけどたまには素直になりや」
大先生は、じゃ、俺今からAちゃんとデートやからと言い、ヘラヘラとしながら帰っていく。
『別に俺、ツンデレとちゃうし』
俺一人になった部屋で、そうポツリと呟く。
つか、何?俺、Aが大先生とデート行くとか聞いとらんのやけど。
ま、とりあえず報告書を片付けるか…。
そう思ってペンを握るもそのペンが走ることはなかった。
ガタンっ、と勢いよく立ち上がれば山になった報告書が崩れる。そんなことをお構い無しに、俺は部屋から飛び出した。
ut「じゃ、俺今からAちゃんとデートやから」
脳内で再生される大先生の声。
__くっそ、なんかムカつく。
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雪村(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、コメントありがとうございます。emさんは1番優しい世界感を重視して書いたのでそう言って頂けて嬉しいです!ほんとですか、それは良かったです...!本当に最後までご愛読ありがとうございました。またどこかで出会えましたら嬉しいです...! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - みかげさん» みかげさん、コメントありがとうございます。わ、shoさんの作品を最高と言って貰えてとても嬉しいです!優しい心遣いもありがとうございます...!これからも楽しく投稿していきたいと思います! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 伶奈さん» 怜奈さん、更新楽しみにしてくださいましてありがとうございました!それと同時に返信返せず申し訳ありませんでした。最後まで楽しんで頂けましたら幸いです…! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - emの短編とても素敵でした!短編ちゃうなってところひとつもありませんでしたよ!これからも楽しみにしてます!頑張ってください (2021年3月20日 21時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - shoさんの短編最高でした!!今後の作品も楽しみにしてます!作者様のペースで、で大丈夫ですので頑張って下さい!! (2021年3月20日 21時) (レス) id: 7631caac1d (このIDを非表示/違反報告)
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