感情＞言葉【tn】 ページ16
「プギー」
『…』
いつもの部屋、いつものご主人様の机、椅子に座っているのはご主人様…ではなく、1匹の豚だった。
毛並みとサイズ的に飼い主のいる子豚だと推測される。
『あの、どちら様の子豚様ですか？』
「プギー、プギー」
『すみません、豚語は学習不足でわからないんです』
「プギー……」
そう答えると、言葉は通じないものの悲しそうなことだけは伝わってくる。
話はそれますが、私は感情を上手く表せない。
しかし、他人の感情を読み取ることは出来るので、私の心にその感情を落とし込むことを勉強している最中です。
「プギ！プギィー」
『あの…』
暫く会話が成立しないまま、子豚様と向き合っていると、子豚様は椅子から降りてドアの方へと向かわれる。
私は出すのはまずいと思い、ドア近くで抱き上げるとガチャりとドアノブが回る音がした。
tn「わっ！びっくりしたぁ……。こんなとこで何してるん…って、トン！？」
『ご主人様…』
「プギ〜！」
ご主人様は私が抱き抱える子豚様に驚かれていた。
一方で子豚様はご主人様の顔を見るなり嬉しそうな顔をしていらっしゃる。
『こちら、ご主人様の子豚様ですか？』
tn「子豚様…wまぁ、うん。名前はトンって言うねん。仕事中はひとらんに見てもらってるから、俺が会うのも休みの日と夜だけ。せやからAと会うのは初めてかな」
「プギー」
『わ』
子豚さ…トン様はご主人様の言葉がわかるのか笑顔で手を伸ばし、その手が私の頬に触れた。
少し驚いて声が漏れてしまう。
tn「さっそくトンが懐いてる、やっぱ流石やな」
『懐いてますでしょうか』
「プギ！プギ！」
tn「ははは、楽しそうやなトン」
「プギ〜」
頬を擦り寄せるトン様と笑っているご主人様、何だかこの空間が温かく感じられる。
『ご主人様、この、ほわほわとした温かな空間が感じられる感情はなんなんでしょう…』
tn「！それはあれやな、癒しって奴や」
『癒し……。私、今トン様とご主人様に癒されております』
tn「俺はトンとAにいつも癒されとるよ」
『…癒しっていいですね』
「プギ〜」
そう言って、私はそっとトン様の頭を撫でた。
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雪村(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、コメントありがとうございます。emさんは1番優しい世界感を重視して書いたのでそう言って頂けて嬉しいです！ほんとですか、それは良かったです...！本当に最後までご愛読ありがとうございました。またどこかで出会えましたら嬉しいです...！ (2021年3月22日 12時) (
レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - みかげさん» みかげさん、コメントありがとうございます。わ、shoさんの作品を最高と言って貰えてとても嬉しいです！優しい心遣いもありがとうございます...！これからも楽しく投稿していきたいと思います！ (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 伶奈さん» 怜奈さん、更新楽しみにしてくださいましてありがとうございました！それと同時に返信返せず申し訳ありませんでした。最後まで楽しんで頂けましたら幸いです…！ (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - emの短編とても素敵でした！短編ちゃうなってところひとつもありませんでしたよ！これからも楽しみにしてます！頑張ってください (2021年3月20日 21時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - shoさんの短編最高でした！！今後の作品も楽しみにしてます！作者様のペースで、で大丈夫ですので頑張って下さい！！ (2021年3月20日 21時) (レス) id: 7631caac1d (このIDを非表示/違反報告)
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