記録54 ページ6
『9つ目…』
5日間の最終日、私は9つの爆弾を探し出すことに成功した。私の体内になにか埋め込まれているのかと疑うくらいに、爆弾の場所に反応することが出来た。
あと1つ…といった所で、後ろから誰かが拍手する音が聞こえた
「いやぁ、お見事お見事。さすが私の娘だ」
『…っ、マスター』
愉快に笑いながら、私に対して言葉をかけたのはマスター、ヴィルロッド様だった。
私がいるのは、以前幹部様4人と来たあの公園、きらめき中央公園だ。彼の笑みは人通りもないところを見計らったように見えた。
ヴィ「それは私の作った爆弾のように見えるが、何をしているのかね？」
『…マスターには関係ございません』
ヴィ「おやおや、反抗期ですか？私は怒りませんよ。正直に言いなさい」
『…爆弾を回収してました』
マスターには逆らえないと自分の脳が判断する。
言いたくない言葉もスラスラと出てくる。
『爆発しても思うことはありません。でも、体が動きました』
ヴィ「ほう？」
『…知らない私が、どこかで"この国を爆破するのは惜しい"と判断したのです』
…この国を爆破するのは惜しい
自分の言った言葉に、胸がぎゅっと苦しくなる。
もし、爆発してこの国が無くなったら…？
そう思うと、更に胸は苦しくなる。
すると、関わった幹部様の笑顔がアルバムをめくるかのように頭に浮かぶ。
…皆いなくなれば？
『っ…、この…感情は……？』
苦しい……苦しい……
目の前がどんどん赤く染っていく。
ヴィ「惜しい…か。この国に思い入れがあるならなお良い。そして、その苦しんだ顔。さすがは我が娘、美しい」
マスターは私の頬を手で撫でると、ニンマリと笑った。
ヴィ「9つの爆弾を見つけられたことは褒めてやろう。だが、あと1つは絶対に見つからない。だからほら、この国がなくなる前に言いなさい。
"記憶を消したいと"
そうでなければお前は絶望するだろう｣
『…絶望？』
ヴィ「そうだ。記憶を消せば、その苦しみから開放されるぞ
どうする？」
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マァト(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても幸せな気持ちになれる作品でした。とてもほわほわしてます！モノクロ少女も応援してます！ (2020年12月4日 17時) (
レス) id: 19a370924b (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - おいちゃんさん» おいちゃん様、コメントありがとうございます！楽しんでくださったのであれば、作者としては大変嬉しい限りです。ここまでご愛読本当にありがとうございました！ (2020年11月30日 20時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
おいちゃん(プロフ) - 完結お疲れ様でした！初コメ失礼します！いちtn推しとして楽しませて頂きました！素敵な物語で最後メイドちゃん笑ってくれて良かったなってほっこりしてます。。お疲れ様でした！ (2020年11月29日 18時) (レス) id: 9941211368 (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 紫乃さん» 紫乃様、コメントありがとうございます…！はわわ、楽しんで読んでいただけているのであればとても幸いでございます！成程、ご意見の方ご参考にさせて頂きますね！よければ最後までご付き合い頂けますと嬉しいです…！ (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - マァトさん» マァト様、コメントありがとうございます…！そうですね、そろそろ長いお話にも幕引きです。ここまでお読み下さり誠にありがとうございます！成程、ご参考にさせて頂きます！よければ最後まで楽しんで頂けますと幸いです…! (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪村 | 作成日時：2020年8月15日 14時
