記録84 ページ36
『ご主人様、失礼します』
tn「ん？あぁ…ロボロ？まだ書類半分は片付いてないってグルさんに言っといて」
『いえ、Aです』
tn「え、あ…Aか…。すまん……見間違えたわ…」
『シルエットで判断してる辺り、大分お疲れですね。早急に寝てください』
tn「…え？A！？」
『はい』
毎日見舞いの為、病院に足を運んでくださっていたご主人様はろくに寝ていなかったらしく、目元にはくっきりと隈があった。
こんな会話をするのも久しぶりで、なんだか働き始めに戻った気分になる。
tn「…俺、もしかして幻覚まで見るようになった？」
『いえ、ご主人様が見えていらっしゃるのは正常です。許可がおりましたので、本日よりまた働くこととなりました。総統様からお聴きにはなられていませんでしたか？』
tn「そんなん1つも聞いてへんけど…」
頭を抱えて、グルさんめ…と呟くご主人様。
『とりあえず、本日のご命令を』
tn「あぁ、えっと、もう完全回復したん？」
『はい。こちらの首の痕は残ると言われましたが、体に異常はございません』
私の首には少々痛々しく見える火傷のような痕が残った。私はその傷を手で摩る。
お医者様によると、首に付けていたペンダントに着いていた粘着爆弾が、不発に終わったものの相当の熱は帯びていたらしく、気付かずに付けていた私の首には火傷の痕が残ったという。
海の塩とも混じり合い、酷く悪化したとも考えられると仰っていた。
tn「痛くはないんか？」
『はい、なんとも』
tn「それならいいねんけど…」
『気にかけて下さりありがとうございます。私はもう大丈夫ですので、ご命令を』
tn「じゃあそうやな、この半分の書類をグルッペンに届けてくれる？」
『総統様ですね、かしこまりました』
tn「じゃ、よろしく」
私はご主人様から書類を受け取ると、ご主人様は手をひと振りし、見送られる。
私はどうしても言いたいことがあり、部屋を出る際にご主人様に告げた。
『ご主人様』
tn「ん？」
『あまりご無理はなさらないようにしてくださいね』
ーー
tn side
パタリとドアが閉まり、俺はふぅ、と息を吐く。
tn「ご無理はなさらないように…なぁ」
正直、寝てへんのは事実やし、ロボロと見間違えたんも嘘じゃない。
けど、"大切やと思ってる人"の為なら無理しても俺はいいと思うねんな。
俺は机の引き出しからカタログを取り出す。
tn「…やっぱり時間とって現物見に行くか」
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マァト(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても幸せな気持ちになれる作品でした。とてもほわほわしてます！モノクロ少女も応援してます！ (2020年12月4日 17時) (
レス) id: 19a370924b (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - おいちゃんさん» おいちゃん様、コメントありがとうございます！楽しんでくださったのであれば、作者としては大変嬉しい限りです。ここまでご愛読本当にありがとうございました！ (2020年11月30日 20時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
おいちゃん(プロフ) - 完結お疲れ様でした！初コメ失礼します！いちtn推しとして楽しませて頂きました！素敵な物語で最後メイドちゃん笑ってくれて良かったなってほっこりしてます。。お疲れ様でした！ (2020年11月29日 18時) (レス) id: 9941211368 (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 紫乃さん» 紫乃様、コメントありがとうございます…！はわわ、楽しんで読んでいただけているのであればとても幸いでございます！成程、ご意見の方ご参考にさせて頂きますね！よければ最後までご付き合い頂けますと嬉しいです…！ (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - マァトさん» マァト様、コメントありがとうございます…！そうですね、そろそろ長いお話にも幕引きです。ここまでお読み下さり誠にありがとうございます！成程、ご参考にさせて頂きます！よければ最後まで楽しんで頂けますと幸いです…! (2020年10月21日 19時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪村 | 作成日時：2020年8月15日 14時
