絶対王政☆【wrwrd!】【男主】

シャオロン ページ4

バタ…
という扉が閉じた音が聞こえて、

やっとこの場は音を取り戻した。


下げていた顔をあげる。

｢はぁ…｣

疲れた
なんやアイツ
ホントに5歳か？

張り詰めていた糸が切れたように
身体は重力を思い出した


そして、先程の
Aの殺気を思い出す

この国の兵士になり幾度となく猛者と戦ってきた俺は、それなりに経験はあるといえる。


あんなに強い殺気をあんな子供が…！





出せていいものか…


くそっ…！
悔しくて。心の中で悪態をついた



ただただ、悔しかった。


｢おい、シャオロン！｣
｢…なんやコネシマ｣


犬(コネシマ)が駆け寄ってきたわ
掛けられた声に不機嫌に返事をする。

｢あ？不機嫌やなお前…
まぁええわ！｣

｢……｣
まぁいいか？


｢なぁ、お前なんであんなことしたん？｣

｢…なに｣
あんなこと、とは大臣の首を切ったことだろうか


｢…別にええやん。どうせアイツ殺されんねんから｣

ただそれがちょっと早くなっただけ。


それだけだ


｢…。まぁせやけどなお前…
それやったらあんな目付けられそうなことするか？｣


｢…｣


ほんまそれ

アレで王に目を付けられたらどうしよう
計画(・・)に支障がでる





でも



それでも。




｢…悔しかったんや｣






あの時、






なんでお前はそんな殺気だすんや

まだ子供やろ

笑っててくれや



少年から出る殺気を目の前にして
違和感、悲しみ、慈悲、拒絶
色んな感情でぐちゃぐちゃになった

顔を顰めながら、ただ見渡す少年を眺めていた





国王と目が合った時。



｢ｰ 嘆いていても、誰も動いてはくれない
自分自身が動かなければ｣


ｰ｢『動く者は誰だ？』｣






身体は勝手に動いてた。




それに気付いて大臣が死ぬところを慌てて身体で見えないように隠した









ただ
悔しかった。





｢…俺は、子供の笑顔を守るために
兵士になったのに｣



あの愚王の血縁者でも。

あの少年が
あの愚王のような行動をしたとしても。


｢まだ…！まだ！まだ5歳やで…？！｣

何があったらあんな殺気出せんねん！

アイツだってまだ子供やんか！


何が守るだ









子供の笑顔を
守れてないやん…！


｢…そうか｣

コネシマはそれ以上何も言わなかった



｢…仕事戻ろうぜ｣
じゃないとあの小さな王さまに殺されてまうわ

傲慢な感じがそっくりや


一気に騒がしくなった城内の空気の中へ入っていく

やらなあかん事が増えたな

作者と…。（絵）→←我、ゾ！

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