【ヒロアカ】無個性少女は行き遭った。

1.昔の話 ページ2

sideA

世界には選ばれる人間とそうでない人間がいる。

努力しても勝ち取れないものがある。

私、緑谷Aは無個性だ。

別に無個性が悪いとは思ってない。

でも、あの日のことは今でも思い出す。

「諦めたほうがいいね」

兄の出久と二人揃って無個性だと告げられた。

“お兄ちゃん”はその時、ずっと泣いていた。

オールマイトを見ながら、それでも兄は諦めていなかったんだ＿＿＿＿

私はそれからずっと努力した。

ヒーローになりたいと思ったわけではなかった。

万事塞翁が馬、人生何があるか、何がいいことなんかなんて、分からない。

これは、私の一番最初の挫折の話、ではない。

挫折なんてよくしてきた。

これは私の一番大きくて取り返しのつかない失敗の話＿＿＿＿

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