【呪術廻戦】双子の弟がいるとか聞いてない。【両面宿儺】

一体どうして ページ25

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テスト終了のチャイム程身に染みるものって多分ない。




｢終わった〜……！数学乗り切った！！｣


｢あれ、Aの割には余裕そうじゃない。｣


｢今回の私は一味違うのさ……これは勝った｣


｢八割くらいありそうなの？｣


｢いや、赤点回避｣




あ、野薔薇が馬鹿にした顔してる。

そしてこの会話を盗み聞きしていた伏黒に｢それ勝ったって言えねぇだろ｣と小突かれる。しかしそんな嫌味も気にならないのだ。何故なら今の私は機嫌がいいから。





｢よし！！皆の者！！寿司食べるよ寿司！！｣


｢元気の良い馬鹿って怖いな｣


｢え〜俺肉食いたい肉！｣


｢そう言って前も硬い焼肉屋連れてかれたじゃないの。私は寿司で。｣





と寿司二人。肉一人。どっちでもいい派一人で女子組の勝利。あ、悠仁が落ち込んでる。うんうん今度美味しいお肉食べようね。






｢……あ、私ノート提出してくるから先に下駄箱行ってて！｣






それだけ言い残し、クラス分のノートを抱えて廊下に飛び出した。心做しか軽い気がする。出してない人結構いるな……。




｢……。｣




指定された場所──会議室にノートを持って来たのはいいのだけれど……。





｢もーマジでテストめんどくせぇ｣

｢本当に。欠点つきそー｣

｢俺はとりあえず二つ確定だわ｣




ゲラゲラと下品な笑い声を響かせながら会議室の中に屯する不良らしき三人組。最近不良しか見てない気がするな。


靴の色を見るに三年生だろうか。いや、最後の奴大丈夫か？浪人する前に留年するんじゃないの？
と心配もそれなりに、今この状況は非常に面倒くさい訳である。



彼らが居ると分かった時点でさっさと中に入ってしまえばよかったのに、ビビりな私は入口前で立ち止まってしまって。
そうこうしている内に彼らの会話の内容は……何と言うか、あまり聞いて宜しくない方向へ進んでいる。




彼女とのあれがどーだの。

酒とタバコがどーたらだの。

挙句犯罪じみたことまで喋り出すのだから、とうとう私は完全に中へ入るタイミングを見失って。






｢……はー、｣





仕方ない。背に腹はかえられぬ。教科担当の先生に直接出しに行くか──と、一歩踏み出した時だ。


聞き覚えのある名が、部屋の中で一つ鳴ったのは。






｢───虎杖宿儺、シメねぇ？｣





……おいおいおい、一体どうしてそうなった？



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