【呪術廻戦】推しが宿儺でどうしよう【両面宿儺】

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｢時に小娘。お前はあの小僧が好きなのか？｣


｢えっ｣




もう何も言わずとも宿儺の隣に腰を下ろせば、そんな質問が飛んできて思わず戸惑いの声が出る。

呪いの王が一高校生の恋愛事情とか聞いてどうするんだ？というかそういうの興味ある系なの？呪いの王なのに？





｢いつも小僧の体に入った時、何かとやかましいからな。｣


｢え、あれ見えてるんですか。｣


｢あぁ。｣


｢ええ……早く言ってくださいよ……。｣




一人過去の行いを思い出して顔を覆う。

ということは悠仁君も見てたってことか……いや、恥ずかしいな。じゃあ写真撮ってたのもバレてる？

と反省会を行っていると、ちょいちょいと肩をつつかれる。何事かと顔を上げれば、何かを言いたげな目を見て私は先程の質問を思い出した。






｢まあ……好き、ですね。｣






呪いの王と恋バナとか有史始まって以来の大事件だろう。

｢ほう｣とニヤニヤ笑いだした宿儺。腹が立ってまた手が出てしまうが、勿論のことノールックで片手で止められる。うざい。






｢あのような見目が好みとは、お前も変わっているな。｣


｢ええ自分もその顔なのに……？

いや……まあ、結果的に顔ばっか褒めてますけど、最初は違いましたよ。｣




私がそう言えば、宿儺は｢なに？｣と怪訝そうに眉をひそめた。悠仁君の顔でそういう表情しないで欲しいな、死ぬから。



……確かに、見た目だってかっこいいとは思う。

いやまず高校一年生にしてあの肉体美は特級案件だし、何よりも彼の笑顔が私は好きだ。



けれど、それ以上に。





｢──悠仁君、本当に心が綺麗なんです。｣




初めて会った時から、私は彼の純真さに心惹かれていた。

職業柄、欲に塗れた汚い人たちを何人も見てきた。善人と揶揄されるような人にも、必ず何かしら一物を抱えているものだ。



でも、悠仁君は違った。

あの屈託のない笑顔は、裏表のない純真な言葉は、何よりも私の心を明るく照らしてくれる。





｢見た目よりも、中身に惹かれたんですよ。｣




宿儺相手に何を、と口に手を当てた時にはもう遅く、上げた視線の先、宿儺は驚いたように目を見開いて固まっていた。


予想外の反応にこちらまでも吃驚してしまい、沈黙が訪れる。


そうして、暫く経った頃。彼は｢そうか｣と低く呟いたなり、何かを考え込むように黙り込んでしまった。


こんな風に、彼は時折、酷く人間らしい表情を見せるのだ。



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