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『絶体絶命』という言葉は、しばしば元来の意味よりも軽んじて使われているように私は思う。

逃げることの出来ない苦境に立たされること。

身体も命も窮まる様。

それらを踏まえて断言出来る。今、この瞬間。私は『絶体絶命』である。





「──頭が高いな、小娘。」




ドン、と。

身体を纏う空気全てが重くなり、酸素が消えてしまったのでないかと疑う程息が苦しくなって。



人体の骨のようなアーチを描く壁。

数えるのも億劫になるような屍の数々。

そしてその上で、居丈高に足を組みして私を見下ろす“特級呪物”。






「何だ?怖くて声も出ないのか?」





顔が上げられない。というか声なんて出せばその瞬間に喉元を掻っ切られてしまうに決まってる。





「俺を無視するとはいい度胸だな、人間。」


「ひょ……、」




恐怖のあまり変な声が出てしまった。猛省。

……と言うより理不尽すぎないか?顔を上げれば頭が高いと言われ、声を出せば勝手に喋るなと押し切られ、そして何もしなければそれはそれで文句をつけられる。



これぞ、呪いの王、か。





「お前も俺も、どうせここから出られんのだ。」





いつの間にか目の前に立ちすくむ男。

長い長い爪の先が、私の顎にかけられる。

抗えないまま顔をあげれば、心底愉快そうな男が目に入って。




ニヤリと怪しげに光る赤眼。

私のよく知る彼の筈なのに、随分と変わって見える見た目。



こいつ…………。

……っ、…………こいつっ、……!!







「同じ境遇のもの同士、仲良くやろう、なぁ?」


「ンンッ……!!」






この男、見た目が良すぎるんだよ馬鹿野郎!!!




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設定タグ:呪術廻戦 , 両面宿儺   
作品ジャンル:恋愛
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梅鉢朝桜 - 宿儺様ぁ…(泣) 愛してます、もう本当に…。素敵な作品をありがとうございます!!! (4月26日 23時) (レス) @page43 id: 5a6192c453 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - 好き……泣きました。。最高過ぎます…。こんな素晴らしい神作をありがとうございます…。 (2022年3月31日 2時) (レス) @page43 id: 3e48fe4f1f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - なんか原作で泣いたことないのに二次創作で泣くのなんで?特に宿儺と夢主ちゃんが最後話していたところが感動しました!応援しています! (2021年8月10日 14時) (レス) id: de4752e106 (このIDを非表示/違反報告)
好きです大好きです - えっ、何でしょうもうなんか凄かったです(;;)色んな夢小説を拝見していましたが、こんな素晴らしい作品初めて会いました!!本当に素晴らしい作品だと思います、読んでいるうちに情景がすんなり頭に思い浮かんじゃいますよ!お2人が幸せになることを祈ってます(^^♪ (2021年7月23日 17時) (レス) id: fdb8e911e1 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠時間 - 途中で全てに気づいた瞬間、グッと溢れ出てきた感動、それと同時に作者様の素晴らしさを目の当たりにした。まるで、全てを見透かされていたかのような、先回りされた感じ。←ポエマーしてみました 一言言うと、最高でした大好きですありがとうございました!!!! (2021年4月20日 0時) (レス) id: ee5607c705 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年2月9日 22時

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