【REBORN】雪の灯火part2 (ページ11)

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49話ページ11

『ベル、御用というのはなんでしょう？』

嫉妬心をぐっと抑え込んで本題を聞く

もう少しでパーティーの開始時間だ
早くしなければ遅れてしまうだろう

「ん？ああ、始まる前にもらいたかったんだよな♪それ」

クイッと顎で指し示したのは私が持っている紙袋

「俺にくれんだろ♪」

片手を差し出して紙袋を受け取ろうとするベル

そのまま紙袋を渡そうとした

しかし体の前まで持ってきたところで私は動きを止めたのだ

先ほど考えてしまったことがまた脳内をよぎったからである

(渡してしまったら、私のプレゼントもあの山の中に埋もれてしまうのでしょうか)

＿それは嫌だ

必ずしもそうとは限らないが、生まれてしまったヤキモチが思考に拍車をかける

プレベントを胸の前で抱きかかえ、ゆっくりと後ずさるようにして部屋の出口を目指す

「ん？A？」

『ごめんなさい、ベル。これはお渡しできません』

「は？なんで」

ジリジリとベルも私に迫る

後ろに扉の気配を感じドアノブに手をかけた

『ごめんなさい！』

「あっ！おいA！」

勢いよく部屋を飛び出した

ベルもすぐに部屋を飛び出し、廊下をかける私を追いかけてきた

そして数分間にわたる仁義なき追いかけっこの火蓋が切って落とされたのだ

～・～・～

「待てって！」

『ま、待ちません！』

広い城内を走り回る

暗殺部隊の隊員であるベルにすぐ捕まってしまうかと思われたが、幸い城内は曲がり角が多く小回りが利きやすかった

しかしベルもさすがである

もうあと数メートルのところまで迫っている

最近稽古をし始めたとはいえ、体力はもう底をつく直前だ

力を振り絞ってさらにスピードを上げようとしたその時

『っ！あっ！』

「A！」

パンプスのリボンが解け、それを踏んづけてしまった

プレゼントは守らねばと咄嗟に身をよじり天井を向く

ぎゅっと瞳を閉じ、来るであろう衝撃に耐えていると感じたのは優しいぬくもりだけ

「っと、捕まえた」

頭上から降ってきた声に目を開けると視界に入るのは金髪の王子様

『べ、ル』

「さあ、説明してもらうかんなA」