37話 ページ42
あれからいくら考えても答えにたどり着くことはなかった
いつもと同じことをしていたし、いつもと同じことを話していた
少しぎこちなかったのもいつものことだ
書庫に蜂蜜色の光りが満ちてきた頃、夕食の準備をするためにキッチンへ向かった
ルッス姐さんはまだおらず先に頂いたエプロンをつける
髪を束ねていると、扉が開きルッス姐さんが顔を出した
「あら！Aちゃん早いわね〜！」
『ルッス姐さんをいつもお待たせするわけにはいきませんから』
2人で調理を進めていると、ルッス姐さんが唐突に切り出した
「ねえ、Aちゃん。ベルと何かあった？」
思わずピタッと動きが止まる
『…わかりますか？』
「私のこと舐めちゃダメよ。そういうことには敏感だから！…話したくなかったらいいんだけど、もしよかったら話してくれない？」
『ルッス姐さん…聞いていただけますか？』
ルッス姐さんにベルの様子がおかしいこと
私が何かしてしまったのではないかと思ったが、心当たりがないこと
…どうしたらいいのかわからないこと
『私、どうしたらいいんでしょう…ベルのこと大好きなのに、自分の想いに蓋をして…それが、ベルを傷つけてしまったのかもしれません…』
エプロンの裾をぎゅっと握りしめる
こんなこと初めてで、頭がごちゃごちゃになる
「…Aちゃん。まずは自分の気持ちに正直になりなさい。自分の想いに蓋なんかしちゃダメよ？自分の気持ちを素直に受け止めて」
『自分の、気持ちを…』
ルッス姐さんが私の肩に手を置く
自然と力がフッと抜けていき、いつものように頭が少しずつ回りはじめる
『私は…ベルが好きです』
「そうね、それじゃあベルと今どうしたい？」
(ベルと…)
『私は、ベルと仲直りしたいです…！』
自分の気持ちが溢れ出す
ルッス姐さんがサングラス越しに微笑む
「なら、ほら！行ってきなさい！」
『え、でもお夕食…』
「そんなのいいから！ほら、今しかないわよ！」
『っ！はい！』
ルッス姐さんに背中を押され、キッチンから飛び出す
橙色に染まった廊下を駆ける
(今、私がしたいこと…！私の気持ち…！)
私は
ベルが好きです！！！
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海波(プロフ) - Lemonadeさん» ご許可いただきありがとうございます！！作品の方頑張って展開していきますね！この度は本当にありがとうございました！ (2019年7月4日 0時) (
レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - やり方が分からなくて不安でしたが無事見ていただけて良かったです！本当ですか？！是非よろしくお願いします！これからも作品を楽しみにしています！ (2019年7月3日 19時) (レス) id: 242d92c946 (このIDを非表示/違反報告)
海波(プロフ) - Lemonadeさん» わわ！！イラストありがとうございます！！めっちゃくちゃかわいいですね！？！？優しげな青い目！イメージ通りです(T ^ T)もしLemonadeさんがよろしければ、作品の方で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2019年7月3日 0時) (レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - 主人公ちゃんが可愛くて想像で描いてみました！http://uranai.nosv.org/uploader/common/a/6/8/a6871613ed38166c9696639f2820355b.jpeg (2019年7月3日 0時) (レス) id: 8e4b5ba485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海波 | 作成日時：2019年6月21日 16時
