夢で恋は終わらせない。 Fuma.K (ページ9)

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「菊池先輩！ドライフルーツ飽きたって言ってたので違うの持ってきましたよ！」
「本当は？」
「ふうまさんが甘栗をくれました！一緒に食べましょう？」

2年生の教室に通うのももう慣れた。
先輩方もあーまたあの子かぁみたいな視線をおくるだけ。

「で、今日の夢は？」

キモイとかあたおかとか、散々ディスっていた菊池先輩も最近はもう夢の内容を聞いてくれるようになった。

「先輩も前世に興味津々じゃないですか」
「違ぇよ。お前の壮大な夢の話聞いてるだけだ」
「最近はずっと幸せです。ふうまさんと毎日ラブラブです」
「おえ……胸焼けしそう」

そんなことをいいつつも泣いていないか心配してくれる菊池先輩はやっぱり優しい人だ。

でも本当に哀しい結末を最近全然見なくなったのだ。

他の、前世の記憶がある人は
どんなかんじなのかわからないけれど

私は毎晩季節はバラバラだけど同じ時代の夢を見る。
壮大なストーリーを見ているようで
どこか既視感があるのだ。

そうして毎日新しいことを思い出す。

夢以外で思い出そうとしても
何も思い出せない。

それはただの「夢」なのでは？と思ったりもするが

1度見てしまえば記憶として定着する。
私にもこの理論はよくわからない。