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「お前この差はなんだ?ちゃんと授業起きてんのか?」
「お、起きてます!昨日なんて9時に寝ました」
「あーもう通りで……寝る前電話したいですぅ、とか言ったのどこの誰だよ?」
「うう、痛い……ほっぺたちぎれます」
「1回ちぎらねえとわからないみたいだしな?」



彼氏の風磨先輩は意地悪だ。
ちょっと前回に比べて 日本史の成績が悪かっただけなのに。


……ていうか、前回が異常だったのでは?



「私、元々は織田信長とか、戦国時代が好きだったんですよ」
「わかる。ヒーローって感じでかっこいいよな」
「そうなんですよ!……じゃなくて、だから どうして平安時代がそんなに点取れたのかわからなくて……」
「じゃあ今は何時代が好き?」
「……平安なんですよね」



歴史の資料集を見ても、関連するページは何度も読んで 覚えてきてしまった。
だから、マニアックな問題も回答できたの。



「平安時代とか、その時代の恋愛事情とか 関心しかもてないんですよね。もっと勉強したい……」



でも、明確なゴールはないの。知ってそれをどうしたいのかわからない。



「いいんじゃない?テスト勉強もちゃんとするなら 独学すれば」
「……珍しく先輩が肯定してくれた、すきです」
「はいはい」



どうしようもなく泣きたくなるときが
たまにある。そんなときでも 風磨先輩はいつもそばにいてくれた。




「ねえ、A」
「はい」
「運命の相手って信じるタイプ?前世の恋人とか、来世とか」




「私は風磨先輩だけが大事です。 それだけです、風磨先輩を信じるだけなので」
「……そ」
「私が風磨先輩を運命の相手にするんです」




えへ、漫画みたいなセリフ言っちゃった。それなのに 風磨先輩は真顔で帰る支度をはじめちゃう。



ああもう……やっぱり意地悪だ。せっかく答えたのに。




「ねえ、A?」
「……はい」
「ちゃんと好きだから、俺の前から勝手にいなくならないでね」



おひさまみたいな優しい笑顔に、
急に恥ずかしくなる。




「俺のこと幸せにするつもりなら、お前はずっと俺のそばにいて」





……風磨先輩の幸せを、ずっと前から願っていた気がする。なぜだろう。

でもそんなことを考えるのは またあとでいいか。



大きく頷くと、風磨先輩は嬉しそうに笑った。









おわり♡

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作者名:ゆき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2021年8月22日 22時

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