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第六話 ページ8

「……え?」



「……」



僕は驚いた。教えていないのに、彼が僕の異能を知っていたからだ。




「……え、なんで……僕の、異能を知って───────」


そう、僕が彼に問いかけたときだ。


「おーー!偶然だねーー!!」



どこからともなく、誰かの聞こえた。しかし、周りにそれらしい人影はない。



「此処だよ、ここ!うーしーろー!!」


「うしろ……?」



僕はベンチの後ろを見るが、誰もいない。まさかと思ってすぐ側の木を見上げた。



「助けてくれないかい!背広が木に引っ掛かってしまったのだよ!」


案の定、彼は居た。腕や首、あちこちに巻かれている包帯がトレードマーク。その人は砂色のコートの背広を一本の木の枝に引っ掛からせて、なんとも間抜けな……ぶら下がっていたのだ。


「……だ、……太宰さん……」



「首つりをしようと思ったんだが、肝心の縄を忘れてしまってね……。ところで、助けてくれないかい?」


太宰さんはまたもや、あろうことか首つりを図っていたのだ。いつまでたっても懲りない人だ。


「もう、本当にあなたは……」



僕はわざわざ木に登り太宰さんのコートと木の枝のほつれをほどき、とりあえず太宰さんを地面に下ろすことに成功した。



「ふぅ……助かってしまったようだ。今回も失敗か……」


「もう、やめてください。危なっかしい……」



僕は呆れながらも、太宰さんのコートについたゴミをはらってやった。
そうしていると、何かに気づいたのか太宰さんは、ふいに僕に問いかけてきた。




「……先程からそこにいる彼は、君の知り合いかい?」


太宰さんは、あの人の方を見て行った。


「ああ、その人は僕が財布を忘れて困っているところを助けてくださったんです」


「……へぇ」



「……はじめまして」



彼はベンチから立ち上がり、軽くお辞儀をして、にこりと太宰さんに微笑んだ。



「あっ……、この人は僕が働く探偵社の社員です。一応、僕の上司で……」


「ちょっといいかい?」



ふいに太宰さんは僕の言葉を遮り、肩をつついてきた。


「その子の隣に立ってみて」


「え……?な、何をいきなり……」

「いいから」


太宰さんはいつになく真剣な眼差しで、こうもぴしゃりと言われてしまっては反論もできなかった。僕は渋々お兄さんの隣に並んだ。





「───────……似てる」


そうして太宰さんは、ぽつりとつぶやいた。


「……え」

「……」

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千代@安定くん愛してる(プロフ) - 凍り姫さん» ありがとうございます!本日ひさびさに更新することが出来ました。更新が遅くて本当に申し訳ないです… (2019年9月8日 20時) (レス) id: 06cd9985f5 (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - 続きが楽しみです!頑張ってください!! (2019年1月12日 2時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 姫女さん» コメントありがとうございます。更新遅れて申し訳ないです!そして不覚にも笑ってしまいましたw (2018年12月23日 23時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
姫女 - おい、其処のお兄さん場所変われ (2018年8月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 8d2132b5e1 (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - カラナ(月華)さん» ありがとうございます!忙しくてほんっっとうに更新遅いですが、がんばっています!コメントありがとうございます!! (2018年8月2日 0時) (レス) id: 8b4fc0089f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年3月13日 13時

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