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「…楼主様、聞きたいことがあるんです」
「…なに？」
「テヨンイヒョンの、」
「っ…」
「体調のことです」
「… ……体調？」
テヨンの名前を出され、反射的に身構えたけど
ウィンウィンの深刻そうな顔に、
一気にまた 血の気が頭から引いたというか
…ううん
そんな甘ったれたこと、言えないくらい
頭が一気に冴えた気がした。
これも、本能か。
あの子は私が守ると、
もう何年も前から抱いてきた使命感のような本能が 瞬時に働こうとする。
そして、
「…やっぱり、知りませんでしたか」
「なに、どういうこと」
「最近、相当 顔色も調子も、悪そうなんです」
「…！」
私の脳に、胸に刻み込まれた、大きな傷跡。
ぐにゃりと視界が曲がるような、
目の前の世界が歪んでいくような感覚。
体の芯が、震え上がる感覚。
背中から冷や汗が吹き出そうだ。
…心臓が痛い。
「…楼主様、」
「っ… テヨンは、」
「…」
「テヨンの体はどんな、どんな容態で…！」
…体調のことなんて、全然 知らなかった。
知ろうとも、していなかった。
テヨンと会話すら交わさなくなって、もう一月以上が経った気がする。
こんなこと、初めてで
それこそ昨日のヘチャンのように
周囲の人々もこの異変に気が付いてるのを 察してはいたけれど
当の本人がどうしてるかなんて、知り得なかった。
…知るのが、怖かった。
それなのに…
“あのこと”の二の舞が起こりそうな気がした
その瞬間湧き起こった恐怖心
…心を苛む、強烈な不安感。
私の過去の事情を知るはずも無いのに、ウィンウィンはどこか私の何もかもを見据えたような瞳をして
念を押すように、私の肩に手を置く。
「…俺からの、お願いです」
「どうか、テヨンイヒョンに会いに行ってあげてくれませんか」
「………手遅れに、ならないうちに」
「…俺は、貴女がとっても大切だ」
「そして、貴女と同じくらい、俺をこれまで見守り続けてくれたテヨンイヒョンのことも、大切なんです」
「…失いたくないんです、大切な人を。……これ以上」
「…分かってください…」
「テヨンイヒョンには、貴女が必要なんです…」
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rurueru - このお話は本当に書籍化して欲しいぐらいお気に入りです。これからも長く続いてほしいですがこの願いははたまた、、、 (2021年2月24日 22時) (
レス) id: cf29b96430 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - もう5年くらいいろんな方の作品を読んでいますがTOP3に入るくらい好きな作品です。終わりが近づいていてとても惜しいです、、 (2021年2月20日 23時) (レス) id: dce001e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年2月19日 22時
